2011年11月30日水曜日

#42 仲間との別れ

晩秋の雨で始まる。

冬至に近づいているので、朝も暗いような気がする。ちなみに日の出は6時半過ぎ。
東海新報の復興計画の記事に、ホテル福富のことが書かれていた。大船渡の街中に立地し、2階まで津波に浸水しているが、いち早く復活した。ホテルの前は地盤沈下の影響で満潮時には水浸しになるため、かさ上げ工事が行れている。
被災したホテルが再開したことに、否の意見もいくつか聞いた。しかし、経営者のインタビューでは、復活への強い意志、街を思う気持ちが強く表れていた。

大船渡市内では震災以降、慢性的にホテルが不足している。今の通勤距離は約20㎞。本来なら、もう少し市役所に近いところもあり得るかもしれないが、泊まれるところがいっぱいで、ない。林業の街住田での生活はとても快適だが。

午前、倉庫を所有する事業者からの相談、市民生活環境課のS係長とアスベストが使用されている建築物の解体について打ち合わせを行う。

昼休みが終わる間際、災害情報学会で懇意にしてもらっている、TBSのA氏が立ち寄ってくれた。
7月の調査でも一緒に大船渡に来ているので、知っている顔をみてホッとした。

午後、市内の最終処分場と仮置場の温度測定に出向く。
吉浜の仮置場では、選別を行うために別の仮置場への搬出が始まっていた。がれきの山は順調に量を減らしている。

車内で、T副技監とお互いが地元へ戻る日の話になった。仙台から名古屋行のフェリーがありますよ、と話をしたら、「え、知らなかった・・・」と感心された。
太平洋フェリーは苫小牧から仙台を経由して名古屋を結んでいると話したら、お持ちのiPhoneから吉田拓郎の「洛陽」を流してくれた。

私とT副技監は12/22、板橋区のC氏は12/16、チーム大阪市は12/21、いなべ市のS氏は12/7。
他のメンバーは確認していないが、12月最終週の建設課は静かになりそうな気がする。

引続き、石浜へ。
ここはまだ搬出が始まっておらず、少量づつ運び込みが行われている。T副技監が温度測定をしているタイミングで、4tダンプが入ってきた。ドライバーと少し話をし、運搬時において定められた車両運行ルールの徹底について依頼があった。のち、末崎北の現場事務所に立ち寄る。
事務所でドライバーからの依頼内容の確認を行ったが、ルールを準拠していなかったのは、がれき撤去と無関係の車両だった。しかし、ルールの徹底が可能とのことで、関係者への連絡を依頼した。

ここには、チーム大分市3名のうち2名が常駐している。チーム大分市は末崎での現場管理業務を今日で終え、明日より水産課での業務を担うため、越喜来の三陸支所に異動となる。
派遣されている職員やチームには各々特徴があり、チーム大分市では毎日、新聞の切り抜きをしていた。それぞれのオリジナリティが生かされている。

引続き、盛地区で管理している仮置場へ。派遣初日に確認した時はクルマを止めるスペースがないくらい、てんこもりになっていたが、大きくその量を減らしている。確実に次のステージに進みつつある。
今日はN課長補佐が不在のため、夕方のミーティングはK係長の進行で行われた。
今日の話題の中心は、11/30をもって、2市4名がこの職場から離れること。

前述のチーム大分市の離任あいさつで、メンバーのTさんの言葉が印象的だった。
「支援に来たつもりが、O主任にプライベートまでお世話になってしまい、本当に感謝している。」
支えあうことが、円滑に業務を進めるカギになっている。
チーム大分市は、末崎地区周辺の道路舗装の補修まで行っており、素晴らしいチームだった。
そして、土木係のS主任。北上市から派遣された橋梁のエキスパートは、G係長からもっといてほしかったと言われるくらいの活躍をされていた。冗談交じりで、担当された橋を「S橋」と名付けたら?と言ってしまった・・・

今日で派遣期間の2/3が経過した。果たして私自身はこの職場から惜しまれるような人材なのだろうか?少し考え込んでしまった・・・
今までは少し肩に力が入っていたような気がする。無理に何かをしようとしても、何もできないし、誰のためにもならないだろう。残り3週間、三重にいる時と同じ気持ちで仕事に臨めれば、と思う。

帰宅直前、課の何人かのメンバーと立ち話になった。服の話。職場のメンバーの話。歳の話。プライベートの話・・・残された時間が少なくなってきた。もう少し打ち解けられる努力をしないと。
そして、大阪市のTさんから、石碑の写真を見せてもらったり、Iさんと職場のことを少しお話したり・・・派遣職員の中では少しだけ古株になったのかな?

帰路、コンビニに寄ったのち、昨日お休みだった龍華に出向く。
「水上さんっ!」と声をかけられ振り返ると、K係長一家が!今日は結婚記念日で、家族で食事だそう。こっそりプレゼントをしておいた。余計なお世話かな・・・

晩御飯は、相変わらず野菜不足のカニチャーハン。美味!
帰宅してから、朝食の調達を忘れたことに気付いた・・・もう買いに行く気力はない。