2011年11月10日木曜日

#22 Takata meets Mie

今日は霜が降りていた。もうそんな季節になってきた。

今朝、起きられるかどうか正直不安だったが、朝御飯を車内で食べることにし、ぎりぎりまで寝た。
そして、ざぁっと東海新報に目をとおし、ベースキャンプを出る。
ところどころ白くなった盛街道からの景色。日が当たっているところは、煙のように靄っている。
今日の市役所屋上非ライブカメラは北向き。マジ快晴!
朝からT副技監の出身、浜松から問い合わせの電話がかかってきている。結構シビアな内容だが、実現したら話題になりそう。T副技監の晴れ舞台ですよっ!とよいしょしておく。

昼、先日すみた産業祭りで知り合った、住田町で仮設住宅の管理を行っているKさんから電話が。陸前高田であるモノが足りないから、なんとかならないか?との相談であった。
そののち、陸前高田市役所防災対策室のS氏から電話が。あるモノを調達したいとの申し出だった。電話で済むかもしれないが、業務終了後市役所を訪問したいと伝え、電話を切る。

すぐに三重県の東日本大震災支援プロジェクトに電話し、電話口に出られたF氏に経緯を説明し、調達の可否について夕方連絡すると伝える。

3週間が経過し、誰が何をやっていて、いまどのような状態にあるのかはわかったが、肝心の、現在のがれき処理システムがあまりわかっていない。午前中にT副技監が探してきたドキュメントを、不在の隙に奪い取り、現状との整合性なども合わせて確認する。

N課長補佐から別の契約案件について書類作成を依頼される。以前作成した別の契約書類についてはU係長から、他課に確認した結果もうすこし調整が必要とのこと。

夕方のミーティングではU係長から、明日は震災から8か月、津波の避難や地震対策について各自再点検するよう告げられる。

とりいそぎ、陸前高田市役所に向かう。ここからは、三重県職員として活動する。カーナビには、仮設の市役所が載っていないので、住所を入力して向かう。
45号線はところどころで若干渋滞し、ナビ通り三陸道に入らず下道を行く。しかし、結局三陸道のIC直近を曲がることになり、下道を走った意味なし。

高田はまだよくわからないので、本当にこの道であっているのかどうか不安になる。しばらくタイトコーナーの多い道を行くと、仮設の立て看板で「高田市役所」の案内がでた。

ようやく、プレハブ3棟で構成された陸前高田市役所に着く。駐車場は未舗装で、本館以外に周辺にはコンテナハウスが立ち並ぶ。
引き戸をあけ、1号棟2Fにある防災対策室へ。

この日は、O室長とS氏が在席されていた。早速名刺交換し、調達の経緯や、必要数が減ったことなど話を伺い、東日本大震災支援プロジェクトのF氏に連絡。
希望のものをすぐ用意できるという旨を聞いて、ほっと胸をなでおろし、S氏に電話を代わる。

S氏は名古屋市から派遣されており、5月から勤務。名古屋市からは30名ほどが陸前高田市に派遣されている。
がれき撤去に関する業務を行っていると話したら、O室長が最近まで別の部署でその任に当たっていたという話になった。

この後、O室長から想像できないような話を伺う。

津波によって、ほとんどの書類が流出してしまったこと。そして、市の地域防災計画を、配布先の大船渡市から返却してもらったこと。失われた文書を、他の市町村に頼んで譲り受けたこと。パソコンがなくなり、手書きで書類を作成し、ものによっては1台のパソコンをシェアし、文書を清書してもらったこと。
私の暗号化した文字では、文書の意味をなさない・・・きれいに書かれている。
そして、当面の間の執務場所となった給食センターでは、座る場所がなくて、たって仕事をしていたこと。服を着替えることもできず、何日も何日も、下着を含め同じ服を着ていたこと。寝袋さえ確保できず、コンクリートの床に段ボールをしいて寝たこと。様々な事務処理を何もない状態からスタートさせなければならないことなどなど・・・

そのような中、がれきの処理に関しては、県にその業務を委任することもできたが、地元雇用を優先するため、困難の中、市直営で実行している。
おなじみアンパンマンのポスター
話が大船渡市役所のことになり、当時あのような高い丘の上に建てられたことは非難の対象にもなったらしい。しかし、そのおかげで震災前にずっと蓄積していたものを失うことはなかった。
震災以前と変わらぬリソースのもとで業務ができている自分は、その環境をフルに活用すべきだと実感した。

住田までの岐路、仮設店舗の集まった一角に、「う・ら・ら」というお店があった。
地元とボランティアのお客さんでそこそこにぎわっており、ソースかつ丼をオーダーする。
地元の人の会話が漏れ聞こえてきた。
高台移転のこと、この街の将来のこと、そして市役所のこと・・・

ベースキャンプに戻ると、頼んでおいたモノが届いていた。
正直、清水の舞台級のびっくりプライスだが、大船渡市内の被災レールであること、鉄ヲタとしてできる支援はこれくらいかな、と考えた結論である。
よって、11/19は3鉄まつり@盛駅に突撃する。