2014年9月30日火曜日

#613 ストーブリーグ

今日も秋晴れ。三陸の秋は本当に天候が安定している。三重ではほとんど見かけなくなった「はさかけ」が残っているのも、この安定した天候が大いに貢献していそうだ。もちろん、手作業を厭わない東北の気質もあるだろうが...いつものように準備して、いつものように出勤する。

連日の作業を進めつつ、来年度の事業計画の現場調査に出かける準備を済ませる。10時過ぎに治山班のS主任主査、M技師、そして徳島から派遣のA氏が来庁、K氏、N技師と6名で大島へと向かう。
K氏がフェリー予約時に事務所名を名乗らなかったので、乗船前に若干の混乱に陥るが、無事に出航を迎える。船上でA氏に大島の概要などを偉そうに説明する。
復旧が薦められている浦の浜港でランディングし、ひとまず、Tという施工予定箇所へ。
本土ほどではないが、大島でも訪れるたびに風景が変わっていく。
図面を観ながらディスカッションしていたところ、通りがかりの地元の方が、この先で少し崩れているところがあるから見てほしいと声を掛けられた。自分は100%仰っていることが理解できたが、徳島のA氏はさっぱり理解できなかったと。うーん、スピードラーニング効果、恐るべし!

丁度昼になったので、はま家で昼食を...と思ったら臨時休業。浦の浜にオープンした「こまつ」という店に立ち寄る。
震災後に新装オープン
まぐろ中落ち丼
神棚に飾られている大島神社で配られる図画
引き続き、Kという施工予定箇所へ。夏場は海水浴客で賑わっているが、秋風が吹く中では、一抹の寂しさが漂っていた。
そして、湾側に面しているYという施工予定箇所へ。オーソドックスな工法で計画を行っていたが、A氏からより合理的な設計について意見が出る。宮城の治山に徳島のノウハウが注入される。自分は残念ながら、そこまでの経験と技術を持っていないのが悔しいところ。
松くい虫の被害も著しい...
帰りのフェリーまでの時間、亀山から島や本土を眺める。高い場所から眺めると、本土側の復旧状況や高所移転の整備箇所、はたまた今後対応が求められる場所などが一目で理解できた。
再びフェリーに乗り、本土へと戻る。大島への橋が開通するまであと4年。そして気仙沼湾横断橋もいずれ整備される。その時はまた大きくここからの景色も変わっているはずだ。

業務終了後、懇親会のための磯やへ向かう。当初は8名で予約していたが、続々と参加者が増え、結局12名で執り行うことになった。いろいろな話で盛り上がるが、こういった場では、来年度の人員や配属の話になる。最近の宮城県庁は、ほぼ通年で人事異動が行われている。それでも一番大きい異動は4月1日付。誰がどこだの、ストーブリーグがここでも始まる。

21時に散会する。メンバーの大半は2次会へと出かけたが、自分とM班長は帰宅することに。
BS日テレの深層NEWSという番組で、気仙沼の遠洋漁業の経営者が出演され、復興の課題など語られていた。いろいろと気になることはあったが、ここに書くことは止めよう。

2014年9月29日月曜日

#612 stuck

朝からけたたましい火災報知機の音で目が覚める。正常化バイアスが作動してしまい、布団から出られなかった自体は猛省せざるを得ない。犯人は向かいの部屋のK氏。いつものように準備して、いつものように出勤する。

N技師と週末の出来事などを話す。仙台で行われたオクトーバーフェストに行っていたとのこと。ちょっと高めのビールを沢山賞味したようだった。

施工業者から依頼された資料をまとめることに。発注時にダッシュで準備してしまったせいで、2次利用のことを頭に入れていなかった。存外に手間がかかってしまったが、丁寧な作業を心がけてくれる新しいパートナーへの信頼感は高まった。
非ライブカメラA
昼休みになろうとするころ、水漁のT氏が訪ねてきた。いよいよ本日離任となる。挨拶に寄ってくれたので、用意しておいた餞別を渡す。
続いて、土木のN氏の元へ餞別を渡しに。N氏は明日まで勤務、1日に後任とともに立ち寄ってくれるとのことだった。前任のS氏もそうだったが、北海道庁は優秀な人材を送り込んでくれる。

いつものお弁当屋さんのカレーを食べようとすると、箱の中に「今日から新米です」と紙が入っていた。市内の水梨子で作られたお米。地産池消な感じがとてもよい。
午後は、先日来の積算に取り掛かる。資料の準備を進めていると、あっ、見積を取っていない...
仕事は思ったほどスムースには進まない...

業務終了後、総務のS主事の元へ。明日のスケジュール上会えないかもしれないので、餞別を渡しておく。彼とは今後も何度も会う機会がありそうだ。異動まであと1日、まだまだごたついていた。

大型ショッピングセンター内にある書店で雑誌を買い求め、こけしで晩御飯を食べる。エスポワールに行こうと思ったら臨時休業なのだろうか、灯が消えていた。中華飯を食べて、ベースキャンプへと戻る。

そういえば、鉄道雑誌の先月号に、島根県が一畑電鉄の車内を「加速化事業」の補助を活用して木質化したとの記事が掲載されていた。
最近の鉄道車両には、水戸岡鋭治氏のデザインを筆頭に、天然素材である木を使うことが流行していることは知っている。そして、自分は林業に関連する部署にいる。そんな自分が、補助事業をうまく活用するという、この発想に至らず、先を越されてしまったのは本当に悔しい。島根でできて三重でなぜ出来ないのか。この成果に至るまでの過程を知りたい。

鉄道と観光と林業、5年ほど前に環境森林部若手職員のWGで、BDFを使用し、内装には地域産材を利用した紀勢線の快速列車「古道の風」を走らせたいと提案したことがある。もちろん、それだけではなく、パッケージで熊野古道を盛り上げようと考えていた。いつかその夢が実現できる日が来ることを期待したい。

2014年9月28日日曜日

#611 Crossover Minamisanriku Vol.7 -縦か横か-

今日も秋晴れのいい天気。いつもより少し早めに起床し、洗濯をしてから5号機で出撃することに。前から気になっていた民俗学的調査を行うため、一路南三陸へと向かう。

この地方では稲の「はさかけ」に縦バージョンと横バージョンがある。その分界点はどこか気になっていた。ちなみに、気仙沼では横バージョンしか見ることがない。
歌津の伊里前から、払川方面へと向かう。ここには縦バージョンがあることを去年つかんでいた。
と思ったら、すぐ横に横が!
歌津はどうやら縦よりも横が多いような気がする。しかし、道を挟んで縦横が共存しているのは不思議である。家庭ごとにやり方が異なるのか...

そして、山がんの里を越えて、入谷へ。
ここも、縦と横の両方を見ることに。

そして、さんさん商店街へ。ひとまず、みなみな屋で餞別の品を買い求める。
自分用モアイはサンオーレ袖浜の砂でできている
今日は月に一度の復興市が開催されている。天気もいいので、沢山の来場者で賑わっていた。
昨年度の現場に隣接していたオーイング菓子工房Ryoも出店中で、4人目のお子さんが生まれた記念のセールを行っていた。
いろんな出店!

今日はタコまつり!
今は小牛田で作っている志津川の味噌屋さんのみそ汁
「カメラマンさん、飲んでって」と。カメラマンか...
仮設を回ってきたタコみこしが到着
先ほどの味噌をつけたこんにゃくとたこ焼き
CARENのステージ
仕事でコラボるD氏、今日は味わい開発室ブース担当
やっぱり餅まき
そして、取材に来ていた地振のO主査から「クレープ食べよう」と誘っていただき、さんさん商店街の中にあるクレープ屋さんへ。
ハニーバターと特濃ミルクセーキをごちそうになってしまった...
O主査と中学時代の同級生というO氏と三人でねまってから、一路西へと向かう。
入谷は縦横共存。気持ち縦が多くなる
御休場の一本松
なんと、アジサイが咲いている!
 そして、水界峠を越えて登米市へ。
登米市東和は縦の王国
まさに黄金の大地
 そして、縦の筆頭ともいえる「ねじりほんにょ」を見るために、くりこま高原駅へ。
シンプルな駅
ねじりほんにょ
縦のことは、どうやらほんにょというらしい
栗原市のゆるキャラ
ガチャピンではない
駅前にある巨大水車
 そして、縦横探索は続く。
若柳は縦
岩手県一関市花泉も縦
△は脱穀済
一関市藤沢に入っても、縦
 そして、突然の変化が現れる。唐突に横が!
横!
トンボ飛び交う渓流
千厩も横
小梨も横
室根も横
藤沢のある地点を越えたら、それ以降は横しか見ることがなかった。すると、歌津や入谷の縦横入り混じる集落は珍しいということだろうか...謎は深まるばかり。もう少し北の方もリサーチしてみたいところだ。

ベースキャンプへと戻ると、自動車学校(車校。ジシャガでもジシャコウでもない)から戻ってきたW技師、土木のT氏と駐車場で出会い、少し立ち話をする。
そのまま部屋へと戻り、結局夕食は支援物資のカップ麺となってしまった...

2014年9月27日土曜日

#610 いよいよ、東北の秋。

いつもより、少し早く起床する。いろいろ荷物をカバンに詰め、5号機でひとまず大島行きのフェリー乗り場へと向かう。天気は晴れ、最近の安定した秋晴れが最高である。
大島からやってきたO氏と合流し、一路284を西へ。ちょっと厚着をしてきたが、幸いにもそこまで寒くない。O氏は途中から上着の前を開けている。さすが東北の人、寒さに強い。自分には無理だ...

千厩、摺沢と抜け、蘇民祭で訪れた黒石寺の脇を通り、北上川を超えたところにある道の駅みずさわへ。
バイクを止めた刹那、保護者の方と子どもが、交通安全週間ということで折鶴を渡してくれた。
途中の気温が10℃代前半で、少し体が冷えてしまったので温まることに。
ニャーニャー言って寄ってきた
O氏宅にもネコがいるようで、少しネコ談義になる。荒くれでどうしようもないらしいが、うちの愛猫も、若かりしころは何度棄てようかと思ったことか...

再び西へ進路を取る。途中ホームセンターやコンビニに寄り、397号線を進む。
水を二方向に均等に分配
日本最大級とのこと
毎時00分発の噴水には虹が...
再び397を西へ。なだらかに標高を上げていくと、巨大な胆沢ダムが視界に入る。2013年の11月に竣工したばかりの、最新のダムである。
ロックフィルダム
導水路から下流を望む
上流側
堤長は日本一
少しいい感じ
奥州湖と名付けられている
そして、隣接する展示館へ。最近やたら公共工事や構造物が好きなのは職業病だろうか...
真新しい展示施設
元々、胆沢ダム上流には昭和20年代に建設された石淵ダムが存在した。そのダムでは機能面で不足しているために、下流部に胆沢ダムを建設、石淵ダムはダム湖に沈むことになった。館内には石淵ダムの資料が多数展示されている。
金属製の止水版。今は樹脂
縦断と横断
平面
石淵ダム建設時の移転補償などが綴られている
海外のダムの資料を翻訳したそう
O氏を手持無沙汰にさせてしまうくらい、入念に資料を見てしまった...
再び397を西へ。ブナ林を抜ける道は、まだ紅葉には早かった。しかし、その美しい姿を見ると同時に、路面は落ち葉で最悪な状況になることが予想される。うーん、悩ましい...

大森峠を越えて、秋田県の東成瀬村へ。今度は342号線に入り、農村風景の中を南下する。気温も上がり、少し汗ばむくらいになってきた。
まだ1か月くらい早そう
 道は徐々に勾配がきつくなる。そして、正面には山頂を赤く染めた栗駒山が見えてきた。
途中水を飲む
そして、須川へ。
駐車場激混み
おしゃれな栗駒山荘
昼は深山きのこ汁定食
温泉が湧いている!
かなり色づいてきている
山方面
イメージ写真
イメージ写真2
pH2.2
ワイドすぎる露天風呂でまったり
栗駒山をにわかに堪能し、一関方面へ下山することに。途中、見覚えのある三重ナンバーのクルマとすれ違う。土木事務所に派遣のT氏だった。この時間からは遅くないか...

麓まで一気に下り、厳美渓の道の駅へ。何故かとても眠い。休憩室の畳で横になろうかと思ったところ、先客のおんつぁんが。
「旅の人?」と尋ねられ、バイクで少し回ってきたと伝える。九州から来たというこの方は、クルマで寝泊まりし、建設関連の仕事をし、休みの時には絵を描きながら旅をしているとのことだった。
似顔絵を描いてあげようか?と言われたので、お願いすることに。
完成!
わお!
風貌といい、行動といい、21世紀の山下清画伯といった感じの方だった。見せてもらった絵の中に、大谷海岸があった。また近いうちにどこかでお会いしそうな気がする。

さて、帰ろうか...と思って外に出たら、偶然にも兵庫から派遣のK氏が。栗駒山に登ってきていたとのこと。この前の青森といい、行動パターンが似ている...

一関から284を東に向かい、気仙沼に着いたころには既に真っ暗だった。フェリー乗り場でO氏を見送ってから、夕食を摂る。
南町紫市場で店を構えていた喫茶マンボは、いち早く店を再建した。ちょっと懐かしい感じの店内で、チャーハンを注文する。
最初は自分以外に客はいなかったが、しばらくして続々と来店者が。遅くまで営業しているので、これから懇意にしようかな...