8時半に起床するが、どうも寝不足なのか、頭が少し痛い。
ご飯を食べてロビーに行くと、今日は結婚式があるようだ。あわただしく人が出入りする。
鯛のチェーンソー・アートが。もちろん杣遊会作。 |
ベースキャンプの斜め前にある「好」と書いて「たか」と読む床屋に行く。
先客が散髪中で、ソファに座りながらしばらく待つ。老母が続いて来店する。
順番が来て、こうやって刈ってほしいと頼むが、いつもはほっておいても希望の髪型になっているのだが、横はこうして、てっぺんはこうしてといろいろ細かく依頼しなければならない。
老母が、店員さんとしゃべっているが、半分くらいしか内容が理解できず、店員さんに通訳を頼む。
山に生えているイモが、糖尿病に効くらしく、ジャガイモのような味で、何らかの味付けが必要と話されていた。
「もみあげはどうしますか?」と尋ねられ、正直困った・・・普段全く気にしていないからだ。
「適当にやっちゃってください」とお願いする。
耳かきもしてもらい、おまけに肩のマッサージまで!おかげで頭痛がなくなった。
ちなみにこの店は2軒続きになっており、隣の野菜直売所にはドア一枚開ければアクセス可能というユニークなお店である。ちなみに顔そり込みで3,000円とリーズナブル。
今日は三重からN先輩が来訪するので、釜石線の宮守駅まで迎えに行く。
ベースキャンプからはおよそ30km。列車到着から少し遅れて到着する
「上着なんかおいてこればよかった!」と言わしめるほど、今日は陽気がいい。
宮守駅の営業は12:30でおしまい |
橋のたもとにある道の駅併設のレストラン「銀河亭」に行く。
名物っぽいメニューを無視し、「鍋焼きラーメン」を注文する。
ちくわとざっくり切ったネギがきりたんぽ風 |
野菜売り場では、天然もののエノキが売っていたが、私の知っている白くて細長いものとは違い、黄土色で傘がデカい!
引続き、念願の橋のディテールをチェックする。橋梁はコストがかかるため、おおむね直線になっているものだが、ここは緩やかにカーブを描いている。コンクリート製だがやわらかい造形は、宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」を彷彿させる。読んだことないけど・・・
SLが走れば、ものすごく絵になるんだけど |
住田では、仮設住宅の管理をされているKさんにお願いしていた、中上団地を見学する。
屋根には太陽光の温水器 |
仮設住宅は連結しているタイプが多いが、ここは一戸建てで、隣の音を気にすることがないというメリットが。
壁がないので、アコーディオンカーテンが。 |
柱などの構造材には地元で製造した集成材を利用し、壁は、断熱材をサンドイッチにした構造。
床も木なので、肌触りがとてもよく、はだしで生活したくなる。
部材は工場で加工し、組み立ての多くを地元の建設業者が行った。
Kさんからは、補助など金銭面の話や、法的な問題、四川大地震がきっかけで開発機運が高まったなど、いくつかお話を伺った。
しかし、住環境としては圧倒的にプレハブの仮設住宅より優れており、この取り組みが全国に広がるといいなと思った。もちろん、仮設住宅が必要にならないことが一番いいのだが・・・
住田町では、第3セクターの住宅メーカーやプレカット工場さらには森林組合などが連携し、オールインワンでくみ上げることができる。
地元産材の仮設住宅、究極の「林業と防災のコラボ」だが、まだ具体的に自分の仕事との連携がイメージできていない。たくさんのプレーヤーに呼びかけないと難しい・・・
一旦ベースキャンプに戻り、N先輩のチェックインを済ませようとしたところ、予約が入っていない!
が、空き部屋があったので、なんとか滑り込む。
N先輩の希望で、五葉温泉に向かうが、ちょうどボランティア団体の方がバス3台で訪問され、風呂は人がいっぱい!きびソフトをたべ、盛の街へ繰り出す。
知人から様子を探るように頼まれていた「あらき」は、残念なことに予約で9時までいっぱい。昨日に引き続き養老の滝に落ち着こうと思うが、それもシャクなので、ガソリンスタンドで給油ついでに聞いた、「hana美」に向かう。
市役所から徒歩1分ぐらいのお店は、大船渡らしく(?)ないおしゃれな感じ。
経営者いわく、「ダイニング・バーとか言ってるけど、居酒屋だっちゃ」と謙遜される。
もともと、大船渡駅近くでスナックを経営していたが、津波で店が「カウンター」を残してすべて流出し、知人から店がなくなっていると連絡があった時、「なくなっているの意味が分からない」と言ったそうだ。
どこに行ってもそうだが、お客さんの話題もどうしても津波のことになる。隣の席の男性も、子供の身を案じたことや、行動の順序を間違えていたら死んでいたなど、生々しい話が飛び出した。もちろん、経営者からも。
ここでは、まだ震災は「今」の出来事である。
松任谷由美似の経営者のトークに引き込まれ、気が付いたら22時を回っていた。もう半分以上寝ている。
代行を頼んで、ベースキャンプに戻る。