2015年3月15日日曜日

#779 懐かしいもの

目覚ましが掛けられない状況で、いかにして目覚ましを掛けるかを考え、スマホのアラームを使わずにバイブレーション機能を使うことにしていた。しかし、設定ミスで音がなってしまった...いつもと同じ時間に、狭い寝床で目を覚ます。そしてシャワーを浴びて、身支度を整えて出発する。

春のような暖かな陽気の中、東北道を北へ向かい、古川から47号線を鳴子温泉へ。「第一回湯守の森会議 里山循環社会を目指して」の2日目のワークショップの集合場所には、30分早く到着してしまった。なんと自分が1番乗り。受付を済ませ待っていると、昨晩もお世話になった仙台のE班長、S技師、そして大河原のC技査も。C技査から「初めまして、ですよね?」と声を掛けられるが、いえ、おとといの送る会でお話ししました...

20名ほどがマイクロバスに乗車し、10分ほど離れた会場へと向かう。自分は3セット目だったので、丁度2セット目の参加者とすれ違うことになる。約束通り、住田の森林官Aさんが来場していた。ネタバレを含めていろいろ話をしていたところ、集合の声がかかる。

ワークショップの会場は、湯守の森と呼ばれるフラットな針葉樹林。馬搬のメッカ遠野から連れてこられた木曽馬「コトヒメ」号がスタンばっていた。
意外に小柄なウマ
 馬搬の専門家から説明が行われる。「みなさん、仔馬かと思われるかもしれませんが、立派な大人です(笑)」と。木曽馬は想像より小柄だった。

馬搬の良さは、そのコンパクトさ故の小回り、勝手にその辺のササなどを食べるので燃料費が掛らない、山を荒らすことが少なく、ウマが歩いた後は適度に掻き起されていることなどがある。「馬力」が足りない時は二頭立てにするなどの工夫もできる。

そして、自然の地形を生かし、重力を活かすこと。馬搬は究極にエコなフォワーダである。
そして、早速実演となる。

ウマは操る人を見るところがあり、手綱を捌いていた田手さんがすっころぶシーンもあった。
一日の作業量は数m3。遠野はもっと大きなウマを使っているので、もっとたくさん搬出できるそう。これも適馬適所だろう。
 引き続き、近くで行われている「きこりマルシェ」へと出向く。
 コーヒーショップやパンの販売などが行われており、春のような陽気も相まって、ほのぼのとした雰囲気を醸し出していた。再びAさんと合流し、いろいろと林業話で盛り上がる。

しばらくすると、「きこり汁」がもてなされる。
きのこたっぷり
 そして、先ほどの主役、コトヒメ号が会場入りする。
おとなしくて、めんこい馬っこ
ぼちぼち会場を後にし、東鳴子温泉に入ることに。このあたりはどこも日帰り入浴が行われており、特に考えもなくホテルニューあらおへ。
昼飯はきのこそば
鳴子らしからぬ硫黄臭が少な目の温泉につかり、残雪の栗原を抜け、次の目的地志津川へ向かう。

南三陸ポータルセンターで開催されている「記憶の街企画展」へ。二つの展示がセットで行われており、一つは東日本大震災の被災地の復元模型に思い出を積み上げていく「失われた街・模型復元プロジェクト」、もう一つは昭和53年の志津川写真展。
八幡川
防災対策庁舎周辺
いろいろな写真を見て、志津川の密集市街地のイメージは持っていたが、模型化することにより、より実感を持ってみることが出来た。また、模型上にはフラグが建てられており、昭和53年の写真と対比して眺めることが出来た。

一通り見学を終え、45号線を北へと向かい陸前高田へ。目的地のキャピタルホテル1000は遠目にみえているが、市街地の嵩上げ工事で道路が難解になっており、なかなか近づくことが出来なかった。
変わりつつある高田の街
 集合時間より30分ほど早く到着したので、少しロビーでくつろぐ。国連防災会議に合わせ、ここ高田でも数多くのイベントが行われている。沢山の来場者が行き交っていた。

日が陰ったころ、高田の友人とその仲間たちが沢山の荷物を抱えて駆け込んできた。陸前高田で障がい者支援活動を行ってきたJDFの支援報告交流会会場において、友人が取り仕切る「みんなのたからもの ししゅう高田松原PROJECT」のお披露目が行わることになった。

このプロジェクトは、全国の方々に高田松原の刺繍作品を制作してもらい、それを繋ぎ合わせて大きな作品とし、津波で失われた松原を「みんなのたからもの」として復活させ、多くの人に見てもらおうというもの。

バンケットルームのセッティングが終わったタイミングで中へと入り、設営。
来場者に興味を持って見てもらえ、そして関心を持ってもらえたことが良かった。ただ、自分の撮影は肝心なところを逃すという大ポカをやらかしてしまったが...

22時に宴は終わり、その後撤収作業となる。晩御飯を食べていなかったので、さすがにお腹が空いた。

暗くなった45号線を気仙沼へと戻る。洗車を済ませ、牛丼を食べて帰宅する。さすがに今日は疲れた。そのまま布団に吸い込まれる。