2013年12月13日金曜日

#322 gain

寒いことに変わりはないが、窓から強い日差しが差し込んできて、部屋の中は思ったより暖か。昨晩の雨か雪かで濡れた路面を、いつも通りに出勤する。

出張などで事務所はいつもの半分くらいしか人がおらず、なんとなくまろやかな空気が漂っていた。しかし、人が少ないからか足元が非常に寒い。厳しく隙間風の有無をチェックする。
昨日お願いしていたIという施工予定現場の関係者の方から電話をいただく。離席していたのでT氏が受信してくれていた。イカ漁から帰ってきたので、午後なら時間をとれるとのこと。

治山班のM技査に電話で相談する。昨日の東京での打合せは最善とは言えなかったとのこと。M技査も業務がMAX状態のようで、自分との業務分担見直し、いくつかをこちらでカバーすることに。合わせて、新たな資料作成を求められたので、コンサルの担当氏にCADデータの送付を依頼する。受領後に加工を始めるが、なんでこんなにソフトが言うことを聞かないんだ!とややイラッとする。
変化する非ライブカメラ
午後、I主事が不在のため、ピンチヒッターとしてT氏に同行を願い、歌津に向かう。外は思ったより暖かく、寒さを感じなかった。気温は10℃を下回っているが、風がないからか、それとも自分が寒さに慣れてきたのか、はたまた厚着しすぎなのか...

午前中に連絡をくださった方を訪問する。庭先によく気仙沼で見かけるトラックが置かれていた。掘りごたつに当たりながら、事業内容を説明する。数回行われた説明会にはご夫人が参加されており、ご主人とははじめてお目にかかる。少し高いところに立っている家の窓から外を眺め、防潮堤の高さなどを説明する。

こういう機会に漁の話やこの地方の文化など、いろいろ伺う。気仙沼港は給油やもろもろサービスが充実していて、志津川港より利便性が高く、漁業者にはありがたいことや、震災の時、ご主人は志津川まで走り船を沖だし、ご夫人は近所の方の声掛けにより、より高台を目指して避難されたこと、ご自宅は10m以上の高地に建てられているものの、1m浸水したこと、そして次の世代の漁師さんがここでも育っていてることなど...

施工現場を少し覗く。今日も波が高く、作業は中止となっている。時化のお蔭で先ほどの関係者とお話しすることが出来たのでよかったと言えばよかったが、作業が進まないのは辛い。
金華山が近くに見える
引き続き、先日もお邪魔した関係者宅を訪問する。偶然ご近所さんも訪ねられており、仕事を労ってもらう。この方からは、快諾と怒られるということがいつもセットになっているが、期待されているから怒られているんだと、むしろ感謝している。
ご近所さんからは、「ここに住んでもいいっちゃ(笑)」と声を掛けてもらう。そういっていただけるだけでもうれしい限り。

現場事務所でS代理人と少し打合せをし、帰路に就く。16時でも既に薄暗くなっており、プラドのオートライトが作動する。風がやや強くなってきており、外気温もぐんぐん下がってきた。
T氏から「地元の方の話がよくわかるね!」と驚かれる。なかなか理解度が80%から向上しないが、多くの人と話をしている成果が如実に表れている。たまに「〇〇だっちゃ!」などと口にしてみて、S技術次長に正誤の確認をしてもらっている。残念ながら、滑らかに話せるまでの道のりは長い。

不在時にSという施工現場の代理人が訪ねてきてくれたようで、机上に資料が置かれていた。熊野在席時に法面工事の施工してくれた建設業者もかなりの実力だったが、さらにその上を行っている。こういった現場に圧倒的に強いT氏にも、資料に目を通してもらう。

南三陸町役場建設課のG上席主幹からメールが入っており、お礼もかねて電話で打合せする。Hという施工予定現場近くの仮設住宅で、道路整備に関する説明会があり、こちらの事業内容も代わりに説明してくださっていたそう。こういった連携が非常に助かる。そして、要望も聞いていただいたのはありがたった。

少し残って資料作成に臨む。職場は二人っきりになっており、農業振興班のI主事と腹を割って少し話をする。忘年会の延期の件では、自分の班が原因だったと知り、謝罪する。「なんでモテないんですかね~(笑)」という嘆きには、人を思いやる気持ちを持ちなさいね、と偉そうにアドバイスしておいた。

まだやるべきことがたくさん残っているような気がするが、小雪が舞ってきたので、キリのいいところで店じまいにする。外はめっきり寒くなっていた。
エスポワールでパスタを食べる。ママの友人が来店しており、話に花が咲いていた。しばらくしてママも輪に加わり、たまに話題を振られる。口々に震災や仮設など、この地方でしかなかなか耳にすることのない話題で盛り上がっていた。各々が各々の震災の記憶を持っている。

洗濯をし、部屋で少しくつろぐ。明日は水沢に行こうかと思っていたが、天候が許さなさそうだ。