2014年11月27日木曜日

#671 当事者

昨晩までの雨は上がり、穏やかな朝を迎える。気温も上がるとの予報である。

先日、県の有識者会議で、南三陸町の防災対策庁舎を遺構として保存すべきであると決定がなされた。会議での決定がすべてを決めてしまうわけではないが、今後県としては保存に向けて動きを始めることになる。自分も第三者的視点ならば、保存に賛成していたと思う。
ただ、お会いした2人の遺族からは、一刻も早く解体すべきとの声を伺っている。その話を聞いて以来、自分も解体という考えに変わった。
津波の脅威を後世に伝えていくに、遺構は有効な存在だと思う。ただ、当事者の話にも十分すぎるくらい耳を傾けてほしいし、意見を十分に尊重してほしい。

いつものように準備して、いつものように出勤する。

今日はインフルエンザの予防接種が行われる。希望者を対象にしたものだが、かなりの受診者でごった返していた。居合わせたO技師が、体温測定で37.5℃。自粛するように強く勧めたが、3度計測を行うことでOKが出たようで...
非ライブカメラA'
昼食時、職場にあるテレビではNHKのニュースを視聴するのが習わしとなっている。毎週木曜は、ニュースの後に「被災地からの声」という番組が行われる。しかし、始まってしばらくしてから、誰かの手によってテレビが消される。

午後、Hという施工箇所の現場代理人と打合せを行い、この施工箇所に関する資料作成を行ったり、直近で必要となる報告書の作成を続ける。

夕方、明日に遠方の関係者と調整に出かける予定のH主事、A主事のことで何やら騒がしくなっている。Hという施工箇所に関わる内容なので、本当ならもう少し早めに...と思ったが、2人は努力してくれているので問題はない。ただ、あまり重要とは思えない内容で上司が議論しているのが耳に入る。平常時では想定できないこういったケース、これからも何度でも出てくるだろうに...
それにもまして、誰が行くかさえ把握してなかった上司には、少し驚いた。口頭や文書での報告って、いったい何なのだろう...県政にとって、被災地の復旧、復興は最重要課題のはずなんだが。

三重では、火曜日から県庁食堂で「みんなで応援!東北を食べよう」キャンペーンが始まっており、FBでは先輩方が味わってくれている画像を見かける。今自分の置かれている環境と、三重とのギャップが虚しい。

定例の掃除を終え、一部のメンバーが説明会に出かけてから、治山班のM技査と電話で打合せをする。
業務終了後、夕食を摂りにこけしへ。
O技師が、三重から送ってもらったお茶を飲みたいとのことだったので、取りに来てくれるのを待つ。しかし待てども来ない。まぁ、らしいと言えばらしいのだが。
しばらくして、部屋を訪ねてくれた。お茶と引き換えに、手に持ったコンビニ袋を渡してくれた。中身はミネラルウォーターとガム。お茶のお礼にと、わざわざ買ってきてくれた。そんなこと、何も気にしなくていいのに...要領も悪く、正直仕事があまりできるとは思えないO技師だが、こういった人を思いやる気持ちはとても強い。彼の持つやさしさは、被災地に住む人たちと接していくうえでの強みだと思う。大器超晩成型かもしれないので、宮城の人たちは、あきらめずに育てていってほしい。

余談だが、時々「気仙」というキーワードでGoogle検索すると、この絵日記が非常に上の方に来ている時がある。不思議だ...
ある日は4番目に来ていた