2013年10月17日木曜日

#265 嵐の跡

台風一過の青空が広がっているが、いかんせん寒い。布団から出るのが苦しくなってきた。いつものように「まわし」をして出発する。身を着るような風が冷たい。

昨日破損してしまった現場のリカバリーについて、T班長に県庁の担当氏へ確認してもらい、T班長とともに歌津の現場に向かう。昨日の確認以降にさらに現場の状況が変わってしまったと、現場代理人のS氏から電話が入った。気を引き締めて向かう。

現場周辺は様々なモノが散乱し、荒れていた。S氏と打合せをしていると、地元の代表から対策について要望をいただいた。しかし、自分たちでは手が出せない領域...歯がゆい。縦割りが悪いとは言わないが、時には横割りにもなる柔軟な組織が実現できないだろうか...それをするのは自分かもしれないが。
現場の被災状況について、写真撮影とともに、チーム白老にも手伝ってもらい計測を行う。まだ波が高く足場も悪いので、ライフジャケットを着用するように指示をする。
地元の方が代わる代わる訪れ、施工内容に対し要望をいただく。同一内容について異なる視点からの意見もあり、また設計の意図もあるので、すべての要望に応えることが出来ない。しかし、可能な限りその求められることが実現できるよう、頭を回転させる。
ただ、皆さんが同じように口にされることは、この結果が見えていたと。完成を急ぎたい気持ちは地元の方々も自分も同じではあるのだが…
昨日想像していたより、現場は破損していなかったことに胸をなでおろす。計測をしていると、背後から高波に襲われる。服が少し濡れてしまった。
消波ブロックも含め、施工の完了している部分は何の問題もなかった。

計測を終え、S氏と打合せを行い、チーム白老にも片づけなどをお願いして現場を後にする。そして、近接する施工予定箇所へ。大形土のうで応急措置がなされている箇所も、昨日より破損が広がっていた。波の力の恐ろしさを改めて感じる。
昼食を摂り、気仙沼市内の施工予定箇所を確認する。巨大なコンクリートの構造物が動いてしまっている状況は、やはり理解しがたいものがある。

帰庁後、机上に熊野の後輩N君から電話があったとのメモが置かれていた。来週予定されているイベントに備えて、昨年の施工現場について質問をもらう。多大な迷惑をかけてしまっており、本当に申し訳ない...
現場の復旧以外にも、リミットの近い業務を並行して進める。復旧関連は初めて作る書類が多いので、T班長に確認をしてもらいながら作業を行う。

ある程度カタがついたので、職場を後にする。外は冬のような寒さになっていた。少し遅い時間までやっているエスポワールを久々に訪問する。既にディナータイムは終わっているので、サービスメニューにはラインナップされていない、きのこのグラタンを注文する。
「もうジャンパーを着る季節なんですよね~。」と、お店の方から声を掛けられる。「外は冬ですよ(笑)」と答える。
ベースキャンプに戻り、夜露に濡れてしまった洗濯物を取り込んだ。天気予報では台風27号の接近が伝えられる。矢継ぎ早の襲来に頭を抱える...