2013年7月22日月曜日

#178 試練

あまり良く眠れず、ぼったくりタクシーに乗るとか、とても大きな地震が来た夢、というより悪夢を何度も見て目覚める。起きた段階では雨はまだ降っていない。未だ肌寒い気仙沼、ポロシャツに上着を羽織って出勤する。

月曜の朝から、報告、同僚のフォロー、書類の発送、打合せの調整などなど、結構ガサガサしてしまう。ササっと済ませないと、業務の停滞を招いてしまうので、やや急ぎ気味に処理を済ませる。
そうこうしているうちに昼になってしまった。今日はいつもの弁当を頼んでいないので、時々売りに来るパン屋さんから調達する。
非ライブカメラ
午後、これから測量を行う箇所の地権者の方に、立入の同意を求める連絡をとる。順番に電話をかけていると、ある段階で試練が待ち受けていた。この場に至るまでのプロセスで、ある一つの項目を欠いていたため、話がかみ合わなくなる。

ここで言葉の壁が大きく立ちはだかる。すこし周囲の音がする相手方の環境の中、若干早口で話されてしまうと、自分の能力では会話の内容をうまく咀嚼できず、意思疎通が困難になってしまった。この状況を続けると非常にまずいので、志津川出身のS次長にバトンタッチする。すかさずフォローしていただく。さすが...
言葉のこと、この地で人的なネットワークを有していないこと、色々な意味で完全アウェーなので、三重では投げられた変化球も、ここでは直球勝負をせざるを得なくなる。改めて自分の未熟さを痛感する。

残っていたいくつかのタスクを終え、帰り際にスマホをみるとFBのメッセージが入っている。以前東北支援の会合でお会いした、同姓の水上さんからだった。三重では非常に希少な苗字なので、その場で意気投合した方だ。その後お会いする機会はなかったものの、東北にやってきていることは知っていた。夕食へのお誘い、当初予定したイベントもキャンセルになってしまっていたので、喜んで出向くことにする。
以前も職場の飲み会で行ったことのある、「さん歩」という焼き鳥屋さんに駆け付ける。気仙沼社協のSさん、Aさんと4人で懇親会となる。実は、地元の方と飲むのは今日が初めてである。

いろいろと話をする中で、防潮堤に関する議論となった。地元の若い人たちの想いや、実現可能性の高いアイデアを話し合うなど、貴重なディスカッションをすることが出来た。今回も、市民の方々に情報がうまく伝わっていないことを痛感した。

図面ではわかりにくいイメージを具現化することや、意思決定のプロセスの透明性の確保など、このあたりをおざなりにしてしまうと、いろいろと疑心暗鬼になってしまう。また、メディアはどうしても対立構図に仕立て上げたり、一方向の意見のみの報道に終始してしまうことがある。
自分たちの行おうとすることはどういう目的なのか、基礎的な部分から丁寧に説明し、きちんと議論ができるフィールドを用意することが必要かと思う。

精算時に店主に三重のPRをしてから帰路に就く。気仙沼は梅雨真っただ中である。