2013年6月1日土曜日

#127 一人X役

晴れたら暑くなってくる、しかし曇っていると非常に寒い。難しいコンディションの日々が続く。
兄から貰った厚めのライダース・ジャケットを身にまとい、3号機で気仙沼港へ出撃する。しかし、既に出遅れてしまっているので焦る。

9時から始まる予定の餅まき、魚市場周辺を探るも場所がわからない...少し奥の方に大漁旗をたくさん掲げた船を見つけた!そして幸い餅まきも始まっていない。100名前後の人たちが、船の前でたむろしている。いや、むしろこの地方で言うならば「はまっている」。菅原市長のお姿も。

新造船の名は「第123勝栄丸」。気仙沼船籍のマグロ漁船で、最新のテクノロジーを活用し、著しい燃費向上が実現した。餅まきまでの間、いろいろなアングルで写真を撮る。
大漁旗に彩られた船
船首の旗
純白のボディーが美しい
流麗なサイドビュー
アナウンスとともに餅まきが始まり、辺りが色めき立つ。
全力投「餅」
船尾からも
戦利品
その後、なし崩し的に船内見学が始まる。三陸新報によれば午後からの予定だったが、来場者のニーズに臨機応変に対応されたという感じか...
サイバーな操舵室
やっぱり神棚
甲板でねまる
木の通路
見学が終わるころには、晴れ間が見えてきた。
船を降りると病院から電話がかかってきて、先日の検査結果を伝えたいとのこと。
「食中毒でした。」
検査の結果、「O1(オーイチ)」と呼ばれる菌が発見されたとのこと。「包丁やまな板は良く洗って...」と説明を受けるが、「すべて外食なんですが...」
確実に思い当たる食べ物があったので、その店に伝えた方が良いか?と尋ねたが、因果関係がはっきりしないので、止めておくようにと諭された。

ベースキャンプで体制を立て直し、改めて3号機で住田へ向かう。新緑の東北はとても美しく、ヘルメットの中で「気仙サイコー!」と絶叫する。

久々に杣遊会のワークショップ「斉藤農機店」へ。会長とキヨシさんの2名がお見え。今日は神奈川からやってくる来客と打合せとなる。
3号機と会長のマシン
会長が「俺もバイクとってくる!」と仰い、家に帰られる。入れ替わるように野球の審判を終えた松田さんがやってきて、昼食を摂りに懐かしのベースキャンプ、グリーンベル高勘へ。今日は米寿の祝いがあるようで賑わっているが、レストランはなぜかお休み。松田さんが中で聞いてくると、店が開いた。不思議だ...
ありすポークの生姜焼き
 食事を終えてワークショップに戻ると、会長の中国製トライクが。
デフがないので曲がらない...
ほどなくして、タウンエースにのる神奈川からの来客がやってきた。熟年の女性だが、お一人で住田まで自走。ガッツのある人物だ。
少し談笑し、杣遊会のアトリエへ。松田さんとキヨシさんがデモンストレーションを行う。


1時間弱のデモが終わり、お客さんとイベントに関する打合せ。当初見込まれたスケジュールとは変わってしまったが、いずれは実現すると期待して...
神奈川行きの作品をタウンエースに積み込んでからワークショップに戻ると、若手の林業者がチェーンソーのメンテナンスに訪れていた。会長からいろいろ説教されるものの、チェーンソー・アートに興味津々。チェーンソーの基礎が出来ているので、慣れるのも早いだろうな…。

杣遊会のメンバーは、仕事ももちろん、消防団、スポーツイベント、街おこしなどなど一人何役もこなされている。明日は種山ヶ原の山開き。それぞれの立場で参加されるとのこと。
そして、またの来訪を約束し、気仙沼へと戻る。

夜、高田からの来客を迎えにBRTの鹿折唐桑駅へ。ずっと食べることのできなかった焼肉を、秘密の焼肉店で食べる。食中毒のあとなので、良く焼く。震災後にこの地方にやってきたという点では同じ境遇。それぞれの悩みとか境遇とか、ざっくばらんに意見交換、というよりもデトックスか...

高田まで送り届けて帰宅すると、もう1時。明日は絶対に起きられないだろう。