2013年6月6日木曜日

#132 on the way

今日も晴れの朝を迎える。東北地方はまだ梅雨を迎えていないので、しばらくはさっぱりとした天気が続く。週間では時折雨の降る予報だが、まとまった雨ではないとのこと。

9時半までに歌津の現場に行かなければならないので、速やかに支度をしてプラドで出発する。今日は兵庫のT氏も同行する。濃霧に包まれた45号線を南へと走る。

今回は、型枠の確認、コンクリートの品質管理、打設状況確認を実施する。型枠の組み方も地方独自で、T氏も感心している。また、細心の注意を払って組み立てられているのはとても好感が持てる。
生コンの到着まで若干のインターバルがあるので、S技査に頼まれていた別の現場の写真撮影に向かう。
近くに咲いていたハマナス
防潮堤破壊+地盤沈下でグイグイ海岸線が後退する
転倒し砂に埋没する防潮堤
防潮堤が破損したことにより、海岸線は不思議な形になってしまった。防潮堤の残存しているところは震災前と変わらない状況で、防潮堤が失われたところは激しく浸食されている。そして、思わぬところに砂が寄ってきている。海は難しい...

この周辺は、自分の担当現場・町管理の漁港・自分の担当予定現場・県管理河川・S技査の担当現場・県土木管理の防潮堤と、目まぐるしく実施主体が変わる。背後には市道、県道、農地が存在する。平常時では、弊害があることは理解してるものの、縦割りの組織が合理的である場合が多い。しかし、災害復旧では同時にあらゆる工事が進行するので、調整が長引けばその分復興のスピードも遅くなってしまう。
公共工事に関しては、一時的に国、県、市町が一体となった「復興工事事務所」を設置し、そこで一元的に管理することが理想的な気がしている。将来三重で同様の大規模な災害が発生したら、そういったマネジメントが出来ればと思う。そのころの自分は何をしているんだろう...

生コンが到着する時間となったので、現場に戻る。だが、若干遅れているようなので、作業員の親方と少し話をする。北海道の白老町からのチームで、公共事業が非常に少なくなっている北海道から、事業量の多い東北に出稼ぎに来ている。親方は今日も半袖の作業服で、「こちらの暑さが辛い」とこぼされている。いえ、私はこちらの寒さが辛いんですが…。

まだ生コンが到着しないので、親方の息子K君に「コンクリートの規格は設計で決められていて、18-8-40であれば、18は呼び強度で、8はスランプで、スランプとはうんたらかんたら...」と、「一土施」風を吹かせながら、えらっそうに講釈を垂れてみる。
建設業も高齢化が進んでいる。K君は親父に怒られたりもしているが、この仕事を長く続けてほしいと思う。
品質確認も終わり、打設に立ちあう。生コンを打設する際に使用するバケットのことを、三重では「バッカン」と呼ぶ。兵庫も「バッカン」と呼ぶ。この地方では呼ばない。そういえば、以前関西と東北で道具の呼び名が違うことが問題だったと言っていた人がいたな...

消波ブロックのストックヤードを確認する。近隣の防潮堤は傾斜堤と呼ばれるタイプで、比較的破壊が免れている感じだ。一部破壊された箇所は、偶然なのかどうかわからないが、海中に設置された消波ブロックの隙間にあたるところだった。
傾斜堤
製造された消波ブロック
歌津では、不足する生コン需要に応えるため、プラントが建設中である。
途中ひかど食堂で昼食をとってから、気仙沼市内のT氏の受け持ち予定の現場へ。濃霧のため、晴れているのか曇っているのかよくわからない。
干潮時にのみ渡れる気仙沼のモン・サン=ミシェル
RPGに出てきそうな風景
帰庁後、昨日発生した痛恨の事態の打開策を考え、T氏から依頼された書類のチェックを行う。
回覧されていた業務報告書にボールペンで、「〇〇でやってけろ!」と書かれていて、少しうれしくなる。

業務終了後、いつもの大型ショッピングセンターで買い物。職場ではあまり見ることのない、少し楽しそうな感じのT班長を見かけた。総菜コーナーでおはぎを見つけた。おはぎ好きなので、1つ入りにしようか2つ入りにしようか悩むが、結局2つ入りを買い求める。

夕食はいつものこけしへ。野菜不足を補うために野菜炒め定食にしておく。