2013年5月2日木曜日

#97 西からの使者Ⅱ

昨日の罰ゲーム的寒さから解放され、若干の軽装で出勤することにする。心臓破りの坂沿いにさくサクラも、少し散り始めた。

昨日、県庁からの指摘を受けた内容について、設計書や図面の修正に取り掛かる。初期のころに比べると、CADの操作もかなり慣れてきた。操作に戸惑うことはあまりなくなったが、まだメニューがどこにあるかわからずに、頭を抱えることもある。

昼、食堂で日替わりの定食を食べていると、「なんや、さみしそうに一人で食べとんのか?」と聞き覚えのある声がする。と、テーブルの向かいに腰かけたのは、昨年度大船渡市役所に派遣されていたO氏だった。執務室を覗いたところ、私の姿が見えなかったので、食堂を訪ねてくれたとのこと。

未だに寒いと嘆いていると、もう慣れたやろう?とハッパを掛けられる。さすが東北1年のキャリアを持つだけあって、すっかり馴染んでいる。
今晩、大船渡で合流しましょうと声をかけたとこと、各地からの派遣メンバーが集まっている場所があるので、そこに集合ということになり、夜の再開を約束する。
非ライブカメラ
ある程度資料修正も終わったころ、既に時計は17時を回っていた。木曜日は執務室の掃除が定例だが、GWにワックスがけがあるとのことで、掃除は実施せずに床のモノを邪魔にならないように上げる作業を行う。

業務終了後、大型ショッピングセンターでフルーツグラノーラを買い求め、ベースキャンプへ。大船渡で集合、そして泊まることになるであろう場所の詳細、フトンがあるかさえ良くわからないので、シャワーを浴びてから出掛けることにする。

コンビニでタバコを買い求め、BRT乗り場に向かっていると、発車時間前にもかかわらず、バスが自分を追い抜いて行く。ありえない状況に、ケースから落下したスマホが激しく地面に叩き付けられるも、目前のバス停に全力疾走する。
しかし、乗り込んだバスは発車待ち。失われた体力を返してほしい...

気仙沼で盛行きのBRTに乗り換える。外は景色も良く見えないので、まったりと...と思うも、激しいストップアンドゴー、振動、左右の揺れなどなど、全く休まらなかった。これでは学生も車内で勉強という状況は考えられないだろう。そして、少し気分が悪くなる。やはり、バスと飛行機は出来る限り乗りたくない...

盛駅にはO氏が迎えに来てくれていた。大船渡市役所への派遣職員数名が生活するSGと呼ばれるビルに案内される。ホテルのようで、ホテルのようでない不思議な建物である。2階にある談話室兼食堂に案内されると、浜松市から派遣されているK氏とS氏がみえた。そしてO氏が晩御飯を作ってくれて、それをいただくことにする。
しばらくして、板橋区や相模原市から派遣されている他の住人と、仮設住宅に住む長久手市の職員やプロパーの方もみえ、一気ににぎやかになる。しばらくして、S氏が紹介されいる新聞記事を見ることになる。
S氏は、ボランティア活動に熱心だった夫人を若くして亡くされ、その後夫人の弔いの意味も含めて東北に何度も訪問され、今回念願かなって大船渡市役所派遣となった。それぞれがそれぞれの想いを持って、この地に来ているんだと思った。
そして、この場で交流を深めながら、自分の現状を思いうかべた。今のベースキャンプは、隣人のノイズがほぼ遮断され、完全なプライバシーが守られている。廊下ですれ違う人もおらず、交流スペースはもちろん存在しない。
現状に甘んじていては、コミュニケーションを深めることは非常に難しい。なにか打ち破る方法を考えなければ...そういった気づきと新しい出会いを与えてくれた西からの使者に感謝する。

会は緩やかに解散となり、3Fにある「七夕人の部屋」というところが今日の寝床となる。壁には、昨年8月愛知県安城市にやってきた盛の七夕祭りの写真、そしてそこに写っている自分がいた。