2013年5月13日月曜日

#108 change

寒い朝を迎える。もう5月も半ば。それでも未だドカジャンが手放せない。しかも手袋まではめて出勤することにする。

先週に引き続き資料作成を進めるが、参考図書なども繙き、入念に作業を行う。しばらくして、班長会議を終えた上司から、6月より新メンバーを迎えると告げられる。

行政機関では、予算と同様人材の獲得も困難を極めるので、年度途中での増員は非常に考えにくい。しかし、これから発生する業務は林業技師では後にも先にも、誰も手掛たことがないものもある。ニューカマーには、そういった部分を担ってもらうことになる予定。どんな方が来るのだろうか、今から楽しみである。

目的を達成するためには、普段は考えられないようなスピードで、組織も変化し続けている。しかし、能力が未知数の職員がさらに増える。マネジメントする側はちょっと大変かな...
非ライブカメラ
午後、明日の中間検査に備え、パートナーのS技査と南三陸町歌津の現場に向かう。今回は、これまた寄贈された120系のカローラセダンに乗り込む。そういえば、2004年の新潟中越地震の被災地に赴いたのも、この120系カローラだったことを思い出した。

道すがら、建築が進んでいる家や新しい商店を至る所で見かける。「あれ、こんなところに家建ててる!」と驚くが、S技査は毎日の通勤で見ているからか、変化を確実に把握されている。
常にどこかで建築、建設、維持修繕工事が行われていて、そのスピードに自分が追いつけていない。

いつも通り、整理整頓された現場事務所で書類を確認する。特筆すべきは、社長によるパトロール日誌。住宅建設と土木を手掛ける請負業者の社長は、可能な限り毎日現場に顔を出されているそうだ。パトロール日誌には、社長直筆のコメントが、とてもきれいな字で書き添えられている。今日も社長はひょっこり事務所を覗かれる。

書類の確認が終了し、現場に向かう。周辺で同時に漁港のかさ上げも実施されており、漁師さんや現場作業員の方々で賑わっている。
山の現場では新緑が目に鮮やかな季節だが、海の現場では、何処からかやってきたホタテの貝殻が出迎えてくれる。
カキやアワビの貝殻も落ちてます...
そして、今日はこの地方全体が冷たい靄で覆われている。
途中、S技査の希望により、近くにある南三陸平成の森のトイレに向かう。以前は傾いていて不思議な感覚に襲われるトイレだったが、現在工事中。ジャッキアップして傾きを直すそうだ。

帰路、昨日読んだ「気仙沼線ものがたり」の話を披露する。岩井崎の交差点から東側は、明治三陸地震津波のあとに都市計画を行ったうえで創られたんですよ、などと、かなり知ったかぶってみる。

業務終了後、大型ショッピングセンターで3割引のパック寿司を買い求め、とろろ昆布と一緒に晩御飯とする。一週間前と同じ晩御飯のような気が...
日常と非日常が交錯し、日々加速度的に変化しているこの街で、一番変化していないのは自分かもしれない。