2013年5月14日火曜日

#109 多様性

昨日と比較すると、暖かすぎるような朝を迎える。日差しもまぶしく、初夏の陽気だ。FBを見ていると、三重ではもはや暑いという季節に入ってきているらしいが、こちらはまだ春。

いつもより少しだけ早く職場に到着し、必要書類をコピーして中間検査へと向かう。仕事じゃなかったら...と思うくらい、久々のすっきりした天気である。
待ち合わせ場所で検査官と合流し、南三陸町歌津の現場事務所へ向かう。施工業者の社長の到着を待って、検査が開始される。

三重にいたときも何度となく検査を受けてきたが、宮城では初めてなので、少し緊張する。冒頭に工事の概要を説明し、後、書類検査となる。
一つ一つの項目を吟味するように、丹念に検査が進められていく。かなりディテールまで突っ込みが入るが、何とか回答することが出来た。三重では経験したことのないやり取りに、フルパワーで臨む。

こういった固い場面でも、相手との距離をちょっと縮めることによって、和やかな雰囲気にすることが自分の得意技だが、宮城ではなかなかそういったテクニックが通用しない。そういえば、検査官も冒頭に「無駄話が得意ではないので…」とおっしゃっていた。

膨大な書類の確認作業が終了し、引き続き現場の確認へ。この現場は本当に整理整頓が行き届いており、全く不安感がない。自分も大きく見習う必要がある。

無事検査が終了し、同行者を送り届けるために一旦合庁へ戻る。出発時は23℃を指していたクルマの外気温計が、いつの間にか13℃になっている。壊れたのか?と思ったら、沖から「やませ」が押し寄せてきている。さらに気温は下がり続け、11℃。
「やませ」というと、なにやら爽やかな、心地よいイメージを感じてしまう。何か別の名前のほうがいいのでは...たとえば、「鬼霧(おにぎり)」とか、「寒靄(さむもや)」とか...おにぎりじゃ、むしろおいしそうな感じになってしまうか...

市内に入ると、気温が回復してきた。連日、そして短時間のうちに10℃も温度差があると、体調管理や着るものに苦労する。そのせいか、T班長は若干風邪気味の様子。
再度、歌津の現場に向かう。寒いことが想定されるため、フリースの上着を持っていく。朝はドカジャンを置いてきたのに、帰りは大丈夫なのだろうか...

現場では、監督員(私)による、不可視部分の検査を実施する。若い作業員のK君が同行してくれる。彼は北海道出身で、親とともに南三陸で仕事をしている。宮城と北海道と三重の人間が、目的達成のためにここに集まっているのかと思うと、何やら感慨深くなった。

業務終了後、菅原歯科へ。治療後にご子息先生と少し歓談。突然街中に出来たベースキャンプは、変わったクルマがたくさん止まっているので、最初は市立病院関係?と思われていたそうだ。他にも、向かいの調剤薬局に勤務されれるおばさまにとって、ベースキャンプがホットスポットになっていることなどなど…
「こっちにいる間に、汚いものは落としてってくださいね」と先生に言われる。あ、自分の歯は汚いんだな...

昨日の夜、賞味期限のヤバい「しそ巻」を大量に食べてから、少し胃の調子が悪い。晩御飯は軽くうどんでも、と思い、鹿折の復幸マルシェに向かうも、肝心のうどん屋さん「団平」はお休み。屋台村横丁の「みずき」もお休み。今日は昼食でも2件連続で定休日のお店にあたってしまった。気仙沼は火曜定休が多いのかな...

気を取り直し、まるきでつけ麺を食べる。今日で3回目だが、おばさんには既に面が割れていた。「胸のマークは宮城県じゃないよね?」と聞かれ、出自もろもろお話をする。ご子息も加わり、三重の食文化について議論(?)を交わす。
魚市場近くに店を構えていたころは、尾鷲のお客さんがよく来てくれたとか、送ってもらったカラがおいしかったとか、餅の文化とか、赤みその調達が容易でないこととか...あぁ、赤だしのなめこの味噌汁が食べたい!

かつて、紀州からもたらされたカツオ漁がこの地方に根付いたように、全国から人々が訪れる今、様々な文化がもたらされていることと思う。この地方が育んできた文化と、他の地方から持ち込まれる文化が融合し、多様性の中から新しい価値が生まれてくるといいな、と思った。
今日は写真がないので、県庁にいるむすび丸で…