2011年12月22日木曜日

#64 3つのねがい

いよいよ最終日の朝となった。少し感慨深いものがあるが、いつものように朝の儀式を行う。
東海新報に、四日市運送の樋口さんが載っている!やった!
ベースキャンプの周りは白銀の世界
コンビニで朝食を買い求めついでに、東海新報を2部調達する。

午前中は、引き継ぎ関係の書類をまとめる。連休明けから何事もなかったかのように、自分が座っていそうな雰囲気である。
がれき処理のシステムや、どの事業者に何をお願いしているか、今はほぼ把握した。しかし、2か月という期間はあっという間である。これからいよいよ本領発揮と思っているのだが・・・

「山下さんはお見えでしょうか?」と来客があった。この職場には山下という者はいない。しかし、手に持っているのは明らかに名刺の入った箱。もしかして、と尋ねたら、頼んでおいた名刺がようやく到着!よかった、間に合った!
もっと早くから作っておけばよかったが、まだ手元に名刺があるので、とりあえず台紙を100枚と、プライベート名刺を100枚作成した。どれも大船渡感たっぷりのデザインである。

お昼のお弁当も今日が最後。いつものハローランチが、何やらとても豪華に見えて仕方がない。

午後、二次選別場の事業者とミーティング。二次選別場を取り仕切っているK氏に、今日で任務終了と伝える。いくつか会議の場で発言したいこともあるが、あとはT副技監にお任せしよう。

ミーティング終了後、N課長補佐、T副技監、U係長と引き継ぎを兼ねた打ち合わせを行う。資料を作っておいたので、それに基づいて行うものの、想像以上に時間がかかってしまった。十分に業務を把握されている方に対してでもかなりのボリューム。俄かに心配になる。

総務課のS課長補佐、防災担当のS係長に離任の挨拶をする。みなさん立って見送ってくれた。うーん、なんだか気恥ずかしいものが・・・

17時半から、がれき撤去の幹事会社とミーティング。最後に今月で離任する、浜松市のS氏、堺市のK氏、佐久市のK氏が簡単に挨拶をする。関係各位のおかけで、相当進捗していることにお礼を言っておく。

職場に戻るが、感傷に浸りたいと思いつつも、机の上は悲惨な状況になっている。後片付けをしようと思ったら、最後のあいさつとなった。
普通、復興に尽力してほしいとか、そのようなあいさつが多いのだが、大船渡だからできることを3つおねがいした。
1つはごく近い将来のこと、もう1つは未来のこと、最後は大船渡と三重のこと。

あいさつを終えてから、職場は微妙な雰囲気になってしまった。しまった、余計なことを言ってしまったか・・・
多くのメンバーが残っているうちに、記念撮影を行う。また、必ずこのメンバーと、どんな形でもいいから再会したい。
しばらくして、査定を終えた土木係のメンバーが戻ってきた。また記念撮影を行う。巨体のS技師は、いつものアイテムを身に着けて写ってくれた。
作業服とか職場で着ていたフリースなど、身の回りの物を片付けた結果、段ボールひと箱になってしまった。
20時なり、建設課の残っていた全員で部屋を後にする。総出でクルマまで見送っていただいた。もし、私が受け入れる側の立場だったら同じことをしようと、強く思った。

最後の晩餐はやはりkojika。と思って出かけたらブラインドが下がっていて、「CLOSED」の看板が出ている。中には灯がともっていたので、無理やりドアを開けるとマスターが。
「たぶん、来ると思ってた」
ああ、うれしい・・・(泣

以前マスターからうかがっていた、自立支援を行っているNPOの方を紹介していただき、最後の晩餐はスペシャルメニューとなった。
「人に出すもんじゃないから」
とおっしゃいつつも、ビーフシチュー、スープをいただいた。うめぇ!
屋台村の話、クルマの話・・・このまま時間が止まってくれたらと思いつつも、すでに12時になっていた。たぶん、この店にはこれから何回も何回も訪れることになるだろう。

ご子息から「もう道が凍っているかも。お気をつけて」と言われ、kojikaを後にする。
107号線をベースキャンプへと戻り、後片付けを始めるが、途中で力尽きる。