2011年10月31日月曜日

#12 驚速

朝から雨。おかげで温かい。

月曜は東海新報がお休みなので、岩手日報の地域面を見て出勤。
やはり若干クルマが多い。
市役所屋上から撮影した、靄に包まれるドラマチックシティ大船渡
大船渡には大船渡ネット海上保安庁のライブカメラが設置されている。良かったらご覧いただきたい。ベースキャンプの窓にも設置して、Y氏が酷評したスーパーの駐車場に、クルマが殺到しているシーンをライブ配信しようかな・・・USTでもいいか。

今日はT副技監が不在で、すこしさみしい。
三重では、職場のムードメーカーと言われたりするが、大船渡ではその座をT副技監に譲っているので、私は極めて物静かな職員と思われているはず。しかも、机上は驚くほど美しい。たぶん、三重の人がみたら別人と思われるはずだ。

先週から課題となっているある事案について、簡単なルールを作り、出来上がったものを上司に確認していただく。

隣の打ち合わせテーブルでN課長補佐が打ち合わせをしている内容が漏れ聞こえてくるが、地名と場所がやはり一致しない。港の話をしているようだが・・・
岩手県港湾課のホームページで平面図を発見し、ようやく埠頭の名前とかが理解できる。

昼前は日差しがほとんどなく、室内はとても肌寒い。思わずドカジャンを着込む。

同じ課のS技師と三重の話をする。学生の頃、8耐を観戦、また鈴鹿に行きたいと言ってくれた。今はまだ無理かもしれないが、そのときは最大級のおもてなしをしよう!
しかし、やはりというか、四日市は公害の街というイメージである。土曜日に会ったYでさえ、四日市出身のくせに、同じようなこと言ってたし。

午後からN課長補佐と、セメント工場内に設置された脱塩施設の検査に出向く。
脱塩施設は、津波により発生したがれき処理を加速する切り札で、2か月ぐらいで完成したプラントである。以前事業者から配られた資料には、8月26日の日付が書かれていたし・・・驚くべきスピードで完成をみた。

仕組みはシンプルで、脱塩と水処理の2つから成り立っている。
脱塩プラントは、例えるなら巨大な洗濯機で、ドラムに投入されたがれきを、ぐるぐる回して塩分を除去する。計7台のデソルトセパレーターと呼ばれる機械が24時間稼働することにより、最大で日量500tの処理が可能である。

ちなみに、セメント工場で処理されるがれきは、付着する塩分(塩素)の濃度によって処理できる量が変わってくる。塩素が多く付いていることが、、セメントの質に悪影響を及ぼすからだ。脱塩処理をすることによって塩素濃度を1000ppm以下にすることが目標である。

水処理プラントは、がれきの洗浄に使用した排水を浄化するために設置されており、汚泥と水分を分離するフィルターが、造り酒屋に設置されている濾し器と同じだ!と思わず上司に報告する。そういえば、これまた学生の頃、愛知県の造り酒屋でバイトしてたっけ・・・全然学校の勉強をしていないね・・・

検査には県の複数の部署からも職員がみえており、異なった視点での質問や確認が行われた。
化学(環境)技師には、知的好奇心が充足される現場だと思う。
このころは場内を歩き回ったため、じとっと汗ばんできた。

その後、キタニ(大船渡北2)の現場事務所に出向く。途中、駅前通りを走りながら、がれき撤去の状況や大きな建造物の取扱いについて説明を受ける。

キタニの事務所からは、例の船を見ることができる。すでに解体に着手されている。
やはり船は大きい。奥はコンマナナのユンボ。
事務所の横には、「想い出ハウス」と呼ばれる建物があり、アルバムや大切と思われるものなどが持ち主を待っていた。
キタニの現場代理人のSさんに、金色堂のことを尋ねる。いまは基礎解体で作業の支障になることから、はじっこに移動されていた。今後はどうなるか、まだわからないとのこと。

帰庁後、いつものようにS先生がお越しになり、すこし仮設住宅の様子などを尋ねた。
夕方のミーティングでは、がれきの一次集積場、仮置場に関することが話題になる。市民も、そしてこの街にかかわる誰もが、新しい街づくりに、そして非日常から日常の生活に戻ることを望んでいる。

市内で給油をし、ようやく念願の黒船に赴く。ドアを開けると、全国各地からの支援のメッセージが!
サンマだしのラーメン(しょうゆ味)をオーダー。マスターおひとりで切り盛りされているようで、注文もカウンター越しにお願いする。
なつかしい感じの、表現するなら「やさしい味」で、スープも飲み干す。うまいっ!次回は塩に挑戦しよう。そして、件のステッカーを、頼まれている分も含めて12枚購入。

ベースキャンプに戻って、芸濃でクリスマスイベントに取り組むIさんに、あるお願いをする。
この取組、うまく回っていくと最高なんだけどな~。詳細はまた後日。