2011年10月25日火曜日

#6 過去を知る

今朝も地震があった。

あの日以来、地震がくるとドキドキするし、NHKの緊急地震速報がかかるときの、ジャンジャーンの前の「ポーンポーンポーン」という音にもドキドキする。

最近、雨が降ったりやんだりですっきりした天気でなく、今日も道がぬれていた。
いつものように出勤する。

引続き、昨日の続きを始める。しばらくすると、市民の方からがれきの火災について質問があると、現場事務所の担当さんから電話が入る。上司二人が説明に向かった。
山田町のがれき火災は、ここ大船渡にも影響を及ぼしている。

今日は災害査定があり、大半の職員が現場にでむき、職場は閑散としている。こういう時にドキドキするのが電話。
市役所はダイアルインではなく、交換手の方が取り次いでくれる。
言っているそばから電話が鳴る。「外線からです~!」といわれ、容赦なくつながれた。

「家を壊しているときにでたがれきのことで・・・」
お話を聞いていて、「お住まいはどちらでしょう?」と尋ねたが、場所がわからない!
大まかな地区はわかっているつもりだが、さらに小さい単位の地名は頭に入っていない。
職員の方に交替し、事なきを得る。こればかりはそう簡単にギャップを埋められない。
四日市でも、「四五六町」といってピンとくる人は少ないはず。

昼休み、大船渡市の復興計画策定委員会のホームページに目を通した。
パブリックコメントをまとめた資料を見て、市民の関心の高さ、そしてコメントの質の高さに関心した。前向きな、よりこの街を安全にしていきたいという想い。ふるさとを大切にするという気持ちはどこでも同じと思う。

仕事をしているとき、二つの資料に目が留まった。
一つは、道路のがれき撤去の写真。
市役所から目と鼻の先にドラッグストアがあり、その前の道路を、足の踏み場がないくらいにがれきが埋め尽くしていた。今は、何もなかったようにクルマが行きかう道になっている。
すべての人が初めて手掛ける仕事にもかかわらず、短期間でやりとげる。
同じ状況におかれた自分が、同じように成し遂げられるだろうか・・・

もう一つは、図面。
公共事業を行うと、工事完了後、精算設計書と呼ばれるものを作成する。
精算設計書は永年保存され、将来の改修などに役立てられる。
目的が何にせよ、過去の資料が適切に残されていたことにより、今の世代の人たちがスムースに作業を進めることができる。
CALS/ECの進展により、工事関係の資料は電子化が進んでおり、いまはCADの図面しか見ない。
将来、クラウドに図面などを残しておけば、未来の人たちのために役に立つんだな~と思い。

昔上司に、「君は過去を知らない」とたしなめられたことがある。
おかげで本を読んだりして、先人の苦労を知り、今なぜこの仕事が行われているのか理解が深まった。
過去を知ることは、今の自分のためにもなるし、将来の人に今のことを伝えるために何が必要かを考えるきっかけになる。

補正予算関連の資料もある程度まとまり、担当さんからの資料待ちとなったため、机上にある不要な紙をリサイクルボックスに入れる。
「ここにほっていいですか?」
と職員さんに聞いたら、
「?」
という顔をされる。
「え~、ほるとは、捨てるって意味です!」
(もちろん捨てるわけではなく、リユース・リサイクルされます)

引続き、定例の仮置場状況報告資料をまとめる。
各仮置場からあがってくる日報を繰っていると、震災から7か月が経過した今でも、毎日多くのがれきが運び込まれる。しかし、前述の写真を見た限り、よくここまできれいになったな・・・と。

今の職場でも、ぬし熊謹製・尾鷲ヒノキの曲げわっぱのマグカップを使っている。
話のネタにはもってこいで、みなさんが興味を示してくれる。
三重で使っている木製名札も持っていったが、隣の住田町ですでに採用されており、こちらはややスルーだった。そういえば、達増知事も木の名札だったような気がする。

今日は、どうしでもこなさなければならないミッションがあるため、17:30に退庁する。

まず、魚屋さんでさんまの刺身をゲット。学校の校長先生というお得意さんがみえていて、「この人三重から来とるんですよ~!」と紹介される。お得意さんもやや驚いた様子!
店頭に並んだ、ぷりぷりのさんまを見て、焼いて食べたくなってきた。そしたらおかみさんが、「電話くれたらやいといてあげる」。ダメです、そんなに甘やかさないで~!

そして、東北初の洗濯に挑むため、コインランドリーに向かう。
洗濯中は、「洗濯なう」とかせず、読書にいそしんだ。入念に乾燥させたにも関わらず、出来上がったのはしっとりと潤った衣類の数々。やむなく持ち帰る。

その後、ご飯を買おうとマイヤに向かう。野菜とか果物を食べる機会が激減しているので、みかんを買う。三重県産のみかんを探したが、山積みのみかんは、熊本産と長崎産でシェアが二分されていた。
お惣菜コーナーにいくと、白いご飯がみあたらず、その代りに半額シールを貼っている店員さんを発見!
なぜか牛丼を買ってしまい、牛丼・さんまの刺身・みかんというラジカルな晩御飯になってしまった。

今日は写真がないので、碁石海岸の碁石海岸たる由縁の写真を。碁石っぽいでしょ?