2014年12月11日木曜日

#685 疑心暗鬼

曇りで放射冷却が起きなかったからか、ほんの少し、寒さが和らいだ気がする。いつものように準備して、いつものように出勤する。

昨日の帰りがけに、N技師が歌津の施工箇所について疑問に思っていたことが解決したのかどうか確認する。正直、ここまで事業が進捗したこのタイミングで、その疑問が沸くとは思いもよらなかった。
自分が赴任する前に決定した事項について、自分が責任を負えというような口ぶりだったので、思わず「宮城県でやれ!」と、ひどい言葉が口から出てしまった。

今までも、前任者が他部署に不可能なことを押し込まれていたのを押し返したり、他部署の理不尽な要求にケンカ寸前までいったり、難解な調整を行ったり、地元から厳しく言われたり...
ホウレンソウという言葉が虚しくなるくらい、過去の経緯が全く職場内で伝達されておらず、何もかもが問題なく進んでいると思われることに腹が立つ。
この出来事だけだったら、そのような汚い言葉は出なかったと思う。今までの経緯も含めて、もう我慢が出来なかった。

Nという施工箇所にかかる打合せをコンサル氏と行う。成果はもうすぐ完成を迎える予定だが、技術基準の解釈などで少し先送りになる。H主任主査も交えてディスカッションを行う。

先ほどの蛮行を上司に謝罪する。「水上さんは3月でいなくなるから・・・」いや、論点はそこではないのだが...
設計変更など手続きを行い、歯科へ行ってから期日前投票へと市役所に向かう。
農林課に立ち寄り、鹿児島から派遣のk氏と少し立ち話をする。午前中にあった出来事などを話す。友が近くにいるというのは、本当にありがたい。

午後、霞が関での協議用資料を作成し、T班長、H主任主査と打合せを行う。前回は不調に終わったが、今回は決着してほしいと心から願う。
併せて、Hという施工箇所に関する設計変更の資料を作成する。初めての出来事とはいえ、方針がぶれたり回答がなかなか得られなかったり...同じような作業を繰り返すのはやむを得ないが、待っているのは施工業者であり、その施設の完成を願っている県民の方々...

職場で歓声が上がったので、外を見ると不思議な光景が見られた。
山が明るく照らされた
業務終了後、職場の忘年会へと向かう。自分は幹事長を務めているので、席に案内したり、サーバーからビールを注いだり、もろもろ雑用も行う。
部長挨拶、S総括の乾杯の発声に続き、宴が始まる。昨日の汚名を返上するよう、幹事であるO技師にはっぱをかける。

宴も中盤に差し掛かったころ、N技師から今朝の話について聞かれる。自分の発言のせいで、相当悩ませてしまったようだ。
N技師は仕事への熱意、人への思いやりが人一倍ある、宮城県でも稀有の存在である。三重が派遣職員を受け入れる側であれば、W技師、N技師に来てもらいたいと思っている。

今日、なぜあのような発言をしてしまったか、説明した。N技師は自分のことを宮城県職員と思ってくれており、今回の件についても、なにか水上なりの理由があると思って尋ねてくれたとのことだった。正直、自分の中でも揺れていた。N技師が自分に期待していると考えている自分、N技師が派遣職員を陥れようと思っている自分。N技師を疑ってしまった自分が恥ずかしい。
年明けにN技師の実家を訪問しようと思っている。その時に、もっと時間をかけて、いろいろな話をしようと思う。

21時ごろに散会となる。佐賀から派遣のU氏と話ながら帰路に着く。残された時間はあまり長くない。職場を取り巻く現状を打破できない自分、もう諦めてしまっている自分。諦めるのは容易い。しかし、次の派遣職員が同じ目にあってしまうのは、あまりに忍びない。