2013年4月25日木曜日

#90 我慢強い人々

大丈夫、今日は大丈夫なはず、と言い聞かせ、ドカジャンを着ずに外に飛び出してみた。
しかし、微妙にひんやりしており、若干後悔する。

いつものように出勤し、昨日に引き続いて資料作成に励む。内容の理解も進み、概ね完成にたどり着く。三重にいたときよりも若干手間取るのは致し方なく...

今の職場では、一番入口に近いところに私の席があり、来客対応をする機会が多い。おかげでこの事務所にどういった目的のお客さんが多いのかが把握できる。最近はダントツで自然公園や保安林にかかる事案が多い。高台の開発も進む新たな街づくりでは、避けて通ることが出来ない。

声の大きなお客さんがみえ、少し身構えるが、とても優しく理解のある方だった。そういえば、兵庫のT氏とも感心していたのが、この職場には強い口調でかつ勢いよくやってくる方はみえない。しかし、裏返せば、市民の方は我慢されているのかもしれないが...
そして、南三陸からの来客にW班長が対応されているが、聞こえてくる言葉をまだ半分くらいしか理解できない。1年後には、東北弁も聞いて話せるバイリンガルになりたい!

15時過ぎから、東京と仙台からやってくる来客対応となる。現場を案内することになるため、合流時間より少し早めに職場を出る。ただ、自分はあくまで補助のため、現場の片隅で待機することとなった。

しばらくして、県庁の担当者同伴で来客がみえた。どうやら仙台からやってきた方は、以前大船渡でもお会いしている。もちろん、相手は私のことを覚えているはずはない。しかし、あの日に起こった出来事、こちらは決して忘れることはない。
打合せの内容を後で聞いたが、人格を否定するに近いような、相当理不尽な事態だったようである。

帰庁したころにはすっかり日も沈み、班員総出で緊急の資料作成となる。私もT氏も、出来ることは最大限手伝うが、残念ながら限度があるようでとても歯がゆい。まもなく日が変わろうとする中、まだメンバーは残っているが、T氏とともに帰宅することになる。

T氏と今日の出来事を振り返りながら歩く。兵庫でも三重でも、今日のような事態になれば、それなりの対応、態度で臨むことになるだろう。しかし宮城の人はとても我慢強く、怒りを露わにすることさえない。以前の大船渡でも同様だった。ただ、東北の人々の、その優しさに付けこんでくる人物がいることは事実。
自分自身、目的を同じくするパートナーに対しては対等の関係を築きたいし、そうしてきたつもりである。そういった気持ちを微塵も有しない人たちが、この地に踏み込んでくる。

復興のスピードが遅いとよく言われる。確かに、この地では様々なリソースが不足しているが、人々は持てる能力をフルに活用し、復旧、復興に全力を尽くしており、そこに一切の手抜きはない。ただ、そういった方々の努力を踏みにじる外野が、この地の復旧、復興の障害になっていることも伝えておきたい。

東日本大震災からの復旧、復興は、この地に暮らす人々だけでなく、日本国民や世界の人々が望んでいる。みんなの想いは、一つの目的に向かっているはずなのに...
今日は写真がないので、晩御飯の画像でも...