2013年4月15日月曜日

#80 遥かなる県都Ⅱ

6時40分のバスに乗らなければならないので、いつもより早く起きる。昨日若干夜更かしをしてしまったが、寝坊することはなかった。

着任以来のスーツを着て、市民病院前のバス停に向かう。寒風吹きすさぶ中、兵庫のT氏は上着を着ていない。軽量化のためとのことだったが、一言「寒い...」

ほどなく仙台行のミヤコー特急バスが到着し、乗り込む。席は窓側が半分ほど埋まっている。気仙沼から仙台行の特急バスは、東北道経由と三陸道経由があり、所要時間は約3時間。大船渡の盛始発の便を含めると、1日10往復走っている。今回は気仙沼始発の東北道経由の便を利用する。

東北道の若柳金成インターまで下道を走り、途中いくつかのバス停でお客さんを乗せ、ちょうど窓側がすべて埋まった。
名鉄的配色。だってグループだから
仙台宮城インターを降り、杜の都仙台を走る。クルマの数、人の数...東北の首都は、活気に満ち溢れている。仙台市も、震災により沿岸部を中心に多数の犠牲者が出たが、中心部ではその様相を伺うことはできなかった。

今日は積算システムの操作研修を受講するため、県庁に当庁する。勾当台公園に隣接、向かい側に仙台市役所がある18階建ての県庁は、重厚感と高級感に満ち溢れていた。
仙台市役所
宮城県庁
6Fの研修室に荷物を置いてから、12Fの森林整備課に挨拶に伺う。課長、次長と少し言葉を交わし、研修室に戻る。
研修には気仙沼から私とT氏、ほか高知から派遣されているO氏、新規採用者3名とベテラン1名で行われる。冒頭自己紹介を行い、県庁担当者からは、他県の情報をぜひもたらしてほしいとお言葉をいただく。午前中は工事の積算にかかる基礎的な話から始まる。今までこのように話を伺ったことがなかったので、改めて認識するにはよい機会だった。

昼食は、高知のO氏を誘って「チーム派遣」で18Fの「レストランぴぁ」に向かう。眺めもさることながら、知的障がい者を積極的に雇用しているNPOの運営もとても望ましい。ぴぁランチを食べ、意見交換をする。三重、兵庫、高知。置かれている状況は似通っている。また、O氏のいる石巻の東部事務所との雰囲気の違いなども分かった。
18Fからの眺め
食事を終え、18Fを探索していると、県政広報展示室という展示コーナーがあった。宮城県の歴史や生い立ちなどを短時間で知るには最適な場所である。
2次元の知事とのツーショット写真を撮影しました...
午後は実際にシステム操作を行う。三重のシステムと比較すると、備えている機能は同等だが、三重は素早い操作を受け付けるスポーツカータイプ、宮城はユーザーに優しいATのクルマといった感じである。どちらにもメリットがあり、デメリットがある。ちょっと辛い話もあったので、経過をお知らせしてほしいと念を押した。

再度12Fに寄り、徳島から派遣されているI氏に会う。1年以内に何処かに集合しようと約束する。
帰りのバスを待つ間、宮城県観光コーナーに少しより、B1Fにある県政情報コーナーへ。行政資料の閲覧や複写などを行う場所で、どこの県庁にでもある場所。

開架書庫を確認していると、1961年3月に刊行された「チリ地震津波調査報告」という本を見つけた。時間がないので、目次と内容をざっと見、東北大の岩崎敏夫氏の記述した「チリ地震津波による三陸沿岸の土木災害と津波対策における問題点について」という章を複写してもらう。複写待ちの間、予算書の必要な項目に目を通す。

県庁前から、また長いバスの旅が始まる。帰りは行きの半分くらいの乗客だった。一般道の走行で、少し気分が悪くなってしまった。航空機とバスは、いつまでも好きになれない...
気仙沼に帰着し、行きつけ(?)のこけしで軽めの晩御飯。
かしわうどん
T氏と、今日の研修の雰囲気から、求められている役割や人物像について少し話をする。兵庫が送り込んだハード事業のスペシャリストは、要求に合致している。私は幾分力不足かもしれないが、最善は尽くしてみようと思う。