2013年8月20日火曜日

#207 語らい

結構激しく雨が降っており、天井から豪快な音がしている。やや憂鬱な気分になりながら、身支度を整え出発する。幸いにも、少し雨が弱くなった。

朝一、歌津の現場代理人のS氏より連絡があり、打合せのために午後来所されることになった。しかし、直後にコンサルの担当氏より連絡。ボーリングの検尺をしてほしいとのこと。予想よりも地盤状態が良く、願ったりかなったりだった。現場の進行を優先させるため、S氏の打合せを前倒しに。
雨上がりの非ライブカメラ
午後、検尺のために歌津へ。気温は26℃と、すこし蒸し暑いものの汗だくになるようなことはない。
検尺を終え、図面と現場を照合していると、説明会で顔を合わせた近隣の方に声を掛けられる。息子さんもやってきて、少し話をする。2011年3月11日のこと、家族の死のこと、その後の近隣の軋轢のこと、施設整備への思いのことなどなど…
震災当日、親子で沖出しした時のこと。100%成功するとは限らないギャンブル、陸に残された家族のことが心配でならなかったし、自分自身の身も案じたと...
また、兄弟が軒を並べていたが、同時に3軒被災してしまったため、今後は分散して家を建てることにするそう。的確なリスク管理だ。
こちらの身の上なども少し話をする。地元の人が本来なら前に出てくるべき、と少し言われてしまう。越えられない壁があるかもしれないが、地元の人に引けを取らない努力をしようと、心に誓う。
「またゆっくりお茶でも飲みにおいで」と声を掛けられた。お世辞かもしれないが、こういった一言が嬉しい。

業務終了後、一路大船渡へ向かう。今日は盛川で灯篭流しが行われる。お盆にやってきたご先祖様の霊を見送る儀式だ。市役所のK主任に案内いただき、河川敷に用意された会場へ。露店も何軒か出ており、祭りのムードが漂っている。
500円納め、自分も灯篭を作成することにした。お盆なのにきちんとお迎えもせず、送り出すだけの不精な子孫を許していただきたい...
本来なら、これらの灯篭は川に流されるのだが、今日は明け方の雨の影響か中止となった。特に回収する作業に危険を伴うので、賢明な判断かと。
僧がお参りをされた後、何やら不思議な花びらのような紙を振りまいている。そして、人々がそれを拾う。ぼーっと突っ立っていたら、隣にいたおばさんが一枚分けてくれた。墨で南無阿弥陀仏と書かれていた。

そして、市役所のU補佐を見かける。焼き鳥をたくさんご馳走になってしまい、SGのメンバーに分けることに。結構おいしくて、何本でもいけそうだった。
消えたろうそくの再点灯や緊急事態への対応などを行っていたら、花火の時間になった。今年に入って、初めてまともにみる花火だ。

花火が終わり、会場の後片付けをしてから吉野町公民館で打ち上げ。酒が飲めないのが辛い...
そして、七夕の際も話をしたおんつぁんと語らうことに。話はどうしても震災になってしまうが、陸前高田市広田にある実家の近くに、「これより下に家を建てるな」と書かれた石碑があるという、貴重な情報を入手した。自分の情報収集能力不足を補っていただいた。

いつの間にか人が少なくなり、23時に後片付けをして撤収。月明かりの中、途中巨大なシカにヒットしそうになる。
月の垣間見える45号線を、ベースキャンプへと戻った。