2013年8月7日水曜日

#194 忘れられない思い出 -盛の七夕-

夏らしく晴れた朝を迎える。今日は盛の七夕に身をささげるため、夏季休暇を取得した。ひとまず、さっぱりすることを目的に、大船渡市立根にある富山温泉へ向かう。住宅街の中にひっそりとたたずむ温泉は、知る人ぞ知る所。300円をはらって中へ。
脱衣所で祭りに参加するメンバーとばったり。考えることは同じか...

地の森の広々としたコイン洗車場で1号機をか清め、「記憶の街ワークショップ」が開催されている大船渡地区公民館へ。
館内の広い場所で、模型の製作が行われている。大船渡町の、特に震災で大きなダメージを負った地区が再現されている。ところどころにプラスチック製の旗が立てられ、持ち主の名前などが書き込まれている。スケールは1/500。製作は、神戸大の建築学専攻の学生が主体となって取り組んでいる。
加茂神社から街を眺める
彩色に勤しむ学生さん
ローアングルから
足湯のつぶやきカードと同じ仕組みが採用されており、来場者の語る思い出をメモしている。震災前の大船渡は1997年に1度訪れたことがあるが、通り過ぎただけで、記憶も画像も全く持ち合わせていないのが残念である。市役所派遣の際に記憶していることを少しだけ話した。立体模型は、GoogleEarthなどよりも、ずっとわかりやすい。

続いて、いつもの定点観測ポイントへ。デジカメのバッテリーが切れてしまったので、やむなくスマホでパノラマ撮影。
いつものkojikaで昼食。遅くなったものの、帰省時に買い求めた「ゆかり」をお渡しし、今日はジェノベーゼを注文した。昼時の忙しいタイミングでマスターと談笑。新たに入庫したアウディのA4の話題で盛り上がる。

吉野町の公民館に戻り、ちょっとだけ掃除をしてから、M主任からお借りした衣装に身を包み、法被を着こんでいざ出発。
まずは近所のガソリンスタンドで給油ではなく、空気圧チェック。ガソリンスタンドに山車という、ミスマッチな光景。
盛の七夕まつりは昼の部と夜の部があり、ひとまず街を練り歩くことに。
記念撮影
七夕飾りを避けながら運行
安城からの参加者も
この後、ハプニングが発生する。自分が扱っていた舵棒が折損してしまった...参加していた古老の機転で、応急修理が成し遂げられる。
山車は折り返して元の場所へと戻り、夜の部までしばし休息。ざるそばをいただいて腹ごしらえをする。

いざ、夜の部へ。沿道にはたくさんのお客さんが。盛の目抜き通りは、地元からの要望で、わざと縁石が高く作られ、電線も低く張られている。狭い通りを山車が苦労してすれ違う姿、山車の最上部に陣取る「電線上げ」のホイッスルが、ここの自慢なのである。
ろうそくが灯り、巨大な行燈と化した山車
他の山車も負けず劣らず
力作
ギリギリのすれ違い
美しくかつ艶やか
山車の後部ではお囃子が
そして、盛駅前に山車が集結する。色とりどりの飾りを透かした、ろうそくの柔らかな灯が、大船渡の夏を彩る。
そして、現役、新旧の派遣と、歴代の(?)大船渡市役所職員で記念撮影。
復路は、山車の中に乗り込み、ろうそくを点ける係になる。同乗している小学生や中学生のアクティブな動きに関心。電灯にすれば、このような苦労はいらない。しかし、こうやって祭りの文化が受け継がれていくんだなと思った。
山車の中を特別公開
21時に練りは終了。山車を引き上げて解体し、懇親会となる。
地元の方々はもちろん、大船渡市役所への派遣職員、そのOB、AllHandsVolunteerのOB、OG、明治大、立命館大、安城からやってきた学生などなど、様々なメンバーが吉野町の山車を支えた。そういった仲間に自分も加えてもらったことは本当に光栄である。

今日集まったメンバーとは、これから何度も何度も会うことになるかもしれないし、もう会うことはないかもしれない。しかし、この日の思い出は一生忘れることはないと思う。
これから先も、8月7日には大船渡の盛にいるだろう、自分の姿が目に浮かんだ。