2014年3月14日金曜日

#413 労い

5人部屋でいつもより朝を迎える。今日は1日休暇を取得しているが、各々が各々のリズムで起床しているようなので、周りの状況に引っ張られてしまう。ひとまず、ホテル自慢の露天風呂へと向かう。時間的に朝日が拝めているわけではないが、穏やかな志津川湾の美しい眺めが最高。鳥羽市から派遣のM氏はここで勤務へと向かう。
バイキング形式の朝食を済ませ、荷物をまとめて5階(が地表面)のロビーに集合する。8時45分出発の宿泊者限定の語り部ツアーは、30名弱の参加者を乗せて出発する。
ホテルの従業員が添乗し、ホテルの被災状況やその後の対応など説明される。機転の利いた的確な対応や、結婚式用の巨大キャンドルなど、ホテルならではのアイテムが役に立ったと話される。
高台の戸倉中学校
バスは戸倉へと向かい、398号線の路肩に停車して戸倉中学校や戸倉小学校の話になる。戸倉小学校では的確な判断で難を逃れたこと、戸倉中学校では高台のグラウンドまで津波が押し寄せたため、犠牲者が出てしまった。
その後Uターンをし、45号線を北上してベイサイドアリーナ横をとおり、志津川漁港へ降りてから、防災対策庁舎へ。
普段は見ることのできない高い視点からの景色は、自分にとっては新鮮だった。
高野会館の説明を終え、再びホテルへと戻る。
 
今や南三陸一の観光スポットともいえる、さんさん商店街を案内してから気仙沼へと向かう。4月から赴任する予定のT主査にとって、この光景はいかように映っているのだろうか。
合庁に到着。庁舎内を一通り案内してから、ベースキャンプも案内する。あまりにも汚すぎる室内への立入はご遠慮いただいたが、雰囲気はつかんでいただけたと思う。
 
一ノ関駅へ向かう来訪者と別れ、自分は南へと向かうために、45号線を再度南下する。今週はずっと南三陸に張り付いている。
普段は目的地直行なので、平日に周囲をよく見る機会が無い。志津川の中心市街地の外れにある水尻橋の撤去現場をしばし観察することに。
施工予定箇所でも鋼矢板を使用した仮締切を計画しているので、その状況を見てみたかった。
机上では、安易に「クローラクレーンで・・・」と言ってしまいがちだが、実物はやはり巨大だった。
三陸道をとおり仙台市内へ。相変わらずの渋滞に気分が滅入る。仙台は政令市ではあるが、東北本線でさえ日中の普通列車は3本程度しか走っておらず、あまり鉄道利用が盛んではないのか、肝心な場所に鉄道が走っていないのか・・・若干いらいらしながら、退職者送別会の会場へと入る。
 
ホテル白萩にチェックインし会場で受付を済ませると、控え室へ案内される。そんなにたいしたことをしていないので、廊下で立っていれば上等なのだが・・・

開会の時間になり、退職者に続いて会場へ案内される。140名超の林務職員が参集する中で、拍手に迎えられる。少しどころか、かなり照れくさかった。
次長や来賓の挨拶から乾杯へ。人数から考えて立食を想定していたが、きちんと円卓が準備されていた。食事をしながら、宮城の地酒をいただくことに。必ずといっていいほど、宴席に県内各地の地酒が用意されている。

自分の挨拶の番になる。もう会場はすっかり盛り上がっているので、誰も聞いていないかと思いきや、ちゃんと聞いてくれている人がいる。仕事を進めていく上でお世話になった方のお名前を呼ばせていただき、感謝の意を述べた。

その後、よく顔を知っているメンバーがエールを送ってくれた。こういった準備をしていてくれたのかと思うと、本当にうれしくなる。
宴もたけなわとなり、記念品と花束が授与される。登米市津山で加工された木製の器。林務職員に相応しい品だった。
←←T氏 ←自分 O氏→ I氏→→ 
各自、適当に二次会へと向かうが、自分はS技術次長のチームに合流することに。S技術次長の幼馴染が経営する店へ。10名強のメンバーだが、それぞれが話したいことにあふれているので、全員と会話が出来なかった。

二次会も散会となり、治山班のN技査と連絡を取りあい、三次会へ。N技査、坊主のS技査、北部のH技師、T氏と5名でダーツに興じる。途中T氏がリタイヤし、残った4名で〆のラーメンとなった。
 
久々に遅くまで動いてしまった。しかし、こうやって付き合ってくれるメンバーに恵まれているのはありがたい。少し気持ちが離れかけていたが、改めて宮城県が好きになった。