284号線は日曜日ということもあって、極めて順調に流れている。千厩や川崎と内陸に歩みを進めても、路面には雪が全くなく、胸をなでおろす。ただ、ライブカメラを確認すると、予定していた大東町経由の343号線は峠で積雪があるようだ。
一関の駅近くのホテルで中西県議と合流し、行き来た道を戻って、気仙沼経由陸前高田へ。予定より少し早めに到着したので、コンビニで淹れたてコーヒーを飲みながら、目的地である高田小学校へ。慰霊祭に参加される中西先生と一旦別れ、モビリアへ向かう。
暖かな日差しの差し込む会場で、幼少期を熊野で過ごされた天野寛子先生の刺繍展を見る。震災をテーマに、新聞記事を刺繍に託した先生の作品は、刺繍という概念を打ち砕くような「絵」に、ぐいぐいと引き込まれる。ちょうどお客さんの少ない時間だったので、先生からマンツーマンで作品解説をしていただく。やさしいお母さんという雰囲気の先生からは想像できない力強さを感じる。
陸前高田動く七夕 |
やはり作品集を買い求めねばと思い、買い求める。先生のサインまでいただいてしまった。
若いツバメ(笑)と先生 |
駐車場もほぼ満車の人気店だが、人気過ぎてホスピタリティに若干の難が発生する。「気は長く、心は丸く、腹立てず」を実践することに。しかし、コストパフォーマンスは最高である。
予定時間2分前に陸前高田市役所に滑り込む。13時から全国青年市長会による復幸応援センターの閉所式が執り行われる。吹きさらしの屋外で、かなり冷え込む。
←戸羽市長 初代センター長の松阪市副市長→ 松阪市山中市長→→ |
引き続き、松阪市長が主宰する「ハート・タウン・ミッションⅢ」の傍聴へ。
冒頭、松阪市長、陸前高田市長、そして青年市長会に加盟する市長、参議院議員の挨拶が行われる。
その後、桜ライン311の岡本代表の挨拶ののち、「あの街に桜が咲けば」のダイジェスト版が放映される。サクラライン311の取組をまとめたドキュメンタリー作品だ。本来は40分だが、今回は10分版が流れる。
そして、○(まる)ごとりくぜんたかた協議会のプロジェクトについて説明が行われる。
以後、マイクはフロアに向けられ、市内で活動する各団体の取組状況の紹介がなされる。陸前高田では、若い方がたくさん活躍されていることが如実であり、市長も皆の顔を知っていて、その取組を後押ししていることが伝わってきた。若い人たちがよく考え、それを実践している。
最近、いくつかの「未来」という冠のついた会議をのぞきに来たが、この街が一番活発で魅力的だと痛感した。形式ばってもいなければ、市外の人たちが牛耳っていることもない。この街の未来は明るいと感じる。
佐賀県武雄市の取組に深くかかわっているSIIISという企業の代表が語った話が興味深かった。今、この街の取組を外部に売ってみてはどうかとおっしゃった。ここで培われたノウハウを売るという発想は行政からはなかなか生まれない。
16時ごろに散開する。中西県議から松阪市長を紹介していただく。メディアを通じて知る攻撃的な姿とは大きく異なり、とても物腰の柔らかい方だった。短時間だが人となりを知ることができたのはよかった。
ひさびさに訪ねた陸前高田市役所は、トイレの小便器前に「陸前高田の復興と同じ『一歩ずつ前へ』」と張られていたり...
WOODJOBのポスター発見! |
到着した刹那、エネシフ気仙の代表であるH氏から連絡が入る。16時半の集合時間では店が開いていないので、つどいの丘商店街のわいわいを案内していただき、合流する。
H代表から取組について紹介していただく。まだ活動が始まって1年弱なので、具体の動きはこれからとなる。来年度はコーディネーターが木質バイオマスの需要発掘作業を行うことになっている。
中西県議からは三重の取組について情報提供があり、次第に打ち解けてざっくばらんな話になる。三重が進んでいること、気仙が進んでいること。若い人たちがリーダーシップを発揮して取り組んでいることに感心し、これからも繋がっていきたいと強く感じる。
既にあたりは薄暗くなっていた。一路気仙沼に向かい、南町紫市場のあさひ鮨で夕食となる。気仙沼の地酒を酌み交わしながら、いろいろな思いについて語る。三重にいた時では接触することができない人物とこうやって様々な情報交換ができることは喜ばしい限り。
宴たけなわの頃、カウンターで飲んでいたおんつぁんが乱入してきた。言葉はどう聞いても気仙沼。同行していた埼玉新聞の方に写真撮影を強要し、店を出られる。とても陽気な方で話も面白かったので、思いがけないエンターテイメントだった。
代行で駅前のホテル経由でベースキャンプへ。雪がちらついているが、明日は積もらないことを祈る。