2013年4月1日月曜日

#66 二度目の初出勤


微妙に肌寒かったため、なぜか6時前に目が覚めてしまった。

しかし、昨晩の新しいベースキャンプへの到着が21時、その後荷物の搬入、片付け、兵庫県から派遣されているT氏との懇親などがあり、日が変わってから床に就いたため、当然二度寝する。

いよいよ今日から宮城県での初出勤である。午後の辞令交付式までは待機となる。
職場からは、転居に伴う諸手続きなどを済ませたらいいよ、とのことだったので、コンビニで買ったパンを食べ、おもむろに出発する。天気は晴れ、風も穏やか。

転入手続きを行うため、気仙沼市役所に向かう。駐車場は満車、窓口も満車と、大人気のスポットになっていた。
守衛さんに「辞令交付に来たんですが、○○の場所はどこですか?」と尋ねる方が。どこも同じである。
気仙沼市役所は、本庁舎に加え、ワンテンと呼ばれる近接の施設にも拡張されていた。

見慣れぬ番号から着信があった。かけなおしてみると宅配便業者からだった。ダッシュでベースキャンプへと戻る。
発送時は、先輩や後輩に手伝ってもらったが、受け取りは一人。玄関まで運んでもらっているものの、段ボール9箱には心が折れた...

宮城県気仙沼合同庁舎は、東日本大震災で浸水した旧庁舎から、市内の高台にあった高校の跡地に、仮設で設けられている。建物は2棟あり、もう一つは気仙沼警察署が入っている。
プレハブ2階建
免許証の裏書をしてもらおうと、警察署に寄る。丁寧で、とても感じの良い対応に、某県警との大きなギャップ感じた。

受付開始よりもかなり前に到着したため、庁舎案内図を見ていたら、唐突に大音量でスピーカーが鳴り出した。村井知事の年度当初のあいさつである。
あいさつでは、復旧、復興のことや職員へのねぎらい、今日から始まった「仙台・宮城ディスティネーションキャンペーン」のことなど...
優しい話し方がとても印象に残った。
非ライブカメラ
14時から辞令交付式が始まった。最近は口頭辞令ばかりなので、このように沢山の方々が集まった式は、新採の時以来である。
宮城県全体で、36の都道県から228名が派遣されている。うち、気仙沼では46名が赴任した。北は北海道から、南は鹿児島まで。三重が遠いって言ってたら怒られそう。
地域振興事務所長のあいさつでは、復旧3年、再生4年、発展3年と3つある震災復興のフェーズのうち、最初の復旧の最終年度であるとあった。ややプレッシャーを感じる。

テレビ局の取材もあった式は滞りなく終了し、所属へと案内される。
配属となる農林振興部は、総勢21名の職場である。建物が新しいこともあるが、整然としたきれいなところ。静かで落ち着いた雰囲気に、文化の違いを感じたり。取り急ぎ、持参した赤福をお渡しする。

兵庫県のT氏とともに着任のあいさつを行い、席に着く。いくつかのオリエンテーションがあったのち、二人で見てほしいと資料を渡された。一つは担当することになるであろう現場の被災直後の写真、もう一つは宮城県建設業協会の記録誌。
山から海へ。位置図や計画内容を確認する。今まで経験のない現場を担当すること、そして現場以外の業務内容に少し緊張する。そして記録誌に書かれた生々しさにも、同様に緊張した。

熊野の時とは違い、寮食がないので晩御飯を自ら調達する必要がある。T氏と相談し、「復興屋台村 気仙沼横丁」に向かうことになった。知ったかぶって道案内したところ、当然間違えたルートに行ってしまったが、無事に到着した。

月曜日のこの時間は、少し客足が少ない。いくつか回って「賄めし」のメニューが書かれた、「たすく」という店に入る。店内の壁は、来訪者のメッセージで埋め尽くされている。
ちょうど、NHKの7時のニュースが映し出されており、紀宝町の田植えシーンが!思わず声を出してしまった。

マグロの中落ちなど、3種の魚が盛り付けられた賄めしは800円。美味。
店主さんと出身地などを話していると、「めかぶ食べない?」とナイスな提案が。
器にてんこ盛りのめかぶをポン酢でいただいた。野菜が少なくなりがちな一人暮らしの身にとって、幸せだった。

外に出ると、やはり肌寒い。熊野とは10℃くらい違う。風邪をひかないようにしないと。