2013年4月26日金曜日

#91 metamorphose

あいにくの天気となった。降水確率70%、午後は80%となっているため、今日は自転車に乗らず歩いて出勤する。いつもより1時間ほど早い時間にベースキャンプを出発する。

登庁すると、事務所にはあかりがついている。メンバーは今日の打合せに必要となる資料作成のため、帰っていないようだった。
8時半過ぎに、合庁の会議室において、昨日と同じ顔触れで打合せが始まる。説明を開始するものの、資料が不足しているものがある。ダッシュで執務室に戻り、準備して、確認し、会議室へ。こういった状況が何度も繰り返される。

10時半ごろ、打合せが行き詰まっため、一旦東部事務所のメンバーと交代する。東部の3名のうち、一人は高知からきているO氏だ。
非ライブカメラ
昼食のインターバルをはさみ、先に東部事務所の打合せが終了し、当事務所の打合せが再開となる。東京から来た方の痛烈な指摘に、回答に窮する場面が頻発する。正面で説明するメンバーを見て、兵庫のT氏とともに歯がゆい思いをする。

再度の追加資料作成のため、メンバーが執務室に戻ったタイミングで、仙台からの来客に「以前どこかでお会いしたことがありませんか?」と声をかけられる。
あ、やっぱり面が割れていた...自分はそんなに特徴的な顔をしていないはずなんだが...

この方とは、大船渡市役所派遣時代に一度会ったことがある。腕に付けている陸前高田の被災松で作られた念珠のことも記憶されていた。
少し世間話や、当方の事情などを説明し、緊迫した会場を少し和やかにしておく。S次長は「何事?」というような怪訝そうな顔をされていた。それはそうだろう、先ほどまで厳しい応酬をしていた人物と、なぜか親しげに話をしている自分...

15時過ぎ、打合せは終了した。来客の大幅な譲歩により、一応の決着はみた。これ以上何かがあるわけではないが、多くの課題が残された。

業務終了後、兵庫のT氏と「北かつまぐろ屋」で反省会を開催する。参考人として、坊主頭のS技術主査を招聘する。
昨日今日の出来事や、今までの経緯についてディスカッションをする。三重や兵庫とは、課題に対してのアプローチが大幅に異なる点では、自分とT氏で意見が一致している。個々人の能力がどうという問題ではない。システムとして作動しているかどうか...

しばらくして、A総括とW班長が合流する。T氏は思いのたけをぶちまけている。彼の気持ちは十分に理解できる。治山事業で他府県に負けることは許されない、そんな厳しい環境で育った林野公共のエキスパート。兵庫が送り出したエースの置かれている状況は、決して恵まれたものではない。

宮城の人たちにとって、西からやってきた二人に対し、どう接していいか戸惑うことも否定できない。しかし、待っているわけにもいかない。自分もT氏も、宮城の林業技師のだれとも違うキャリアを歩んできて、今この場にたどり着いている。
今抱えている課題を解決していくためには、相当な困難が待ち受けているだろう。それを成し遂げるためには、我々が役に立つかもしれない。そして、今の所属にも大きな変化が求められている。

あと2件梯子したころには、既に日が変わっていた。T氏とともに強い決意を胸に、ベースキャンプへと戻った。