今日の三陸新報一面には、県が発表した消費者購買動向について書かれている。震災の影響により、本来は2011年に行われる予定だった調査が、1年遅れで昨年11月に実施された。
合併前の気仙沼市域では、日用品などの地元購買率は約98%だが、旧志津川町(現南三陸町)では、2008年の約77%から19%と大幅に低下した。市街地が壊滅的な被害を受けたため、登米市方面に流出してしまったようだ。南三陸さんさん商店街の頑張りに期待したい。
午後から雨が降る予報に備え、傘を持って出勤する。昨日に引き続き、資料作成を進める。いただいた資料の解析も進み、なにやら前に進んだ感がしてきた。
食堂での昼食後、少し建物の外に出てみる。県立の女子高、鼎が浦高校の跡地だけあって、合庁の周辺にはサクラの大木が散見される。満開のサクラ。気仙沼にもようやく春が訪れたようだ。
やっぱりサクラはいいね! |
非ライブカメラ |
圧縮試験をしながら、現場代理人のS氏と工程など打ち合わせをする。行政機関との手続きなどで困っていることはないか、なども聞き取る。制度面でもスピードを速める余地はありそうだが、いかんともしがたいかも...
圧縮試験を行う際、テストピースと呼ばれる円筒状のコンクリートを使用する。すべての現場で同じ形状ゆえ、混同しないようにするため、いろいろ工夫がなされる。自分が三重にいたときは、日付とサイン入り名刺を封入していたが、こちらではテプラを使うケースが多い。名刺と異なり、水分でボロボロにならず、型枠を外す際も密着しない。
試験終了後、歌津の担当現場に向かう。「捨石」も順調に進んでいるようだ。ただ、この地方は存外風が強く、波も高くなりがちなため、海辺で活躍する建設機械にとっては非常に厳しい環境である。
引き続き、机上で資料作成を行っている現場を改めて確認する。現地の状況は、GoogleEarthなどを使用してペーロケも出来るが、平面図では読み取りにくい起伏や、刻一刻と変化する周辺の状況は、その場に行ってみないとわからない。慣れない場所では現場をよく観察することが重要だと思う。実際、空中写真では確認できなかった仮設の倉庫などが建設されていた。
帰庁後、パートナーのS技術主査から図面のチェックを依頼される。現場を数度見たことがあるため、構造などもすんなり呑み込める。
A1の図面を折りたたんで図面袋に収納するうえで、宮城には「宮城折(と勝手に命名)」があるが、今回は普通の折り方。
業務終了後、やや強い雨が降る中、一路大船渡へ向かう。加茂神社下のプレハブ横丁にある「ときしらず(変換不能)」に集合する。大船渡市役所時代の同僚、K主任と巨体のS技師、そして愛知県東浦町から派遣、過去に二度もお世話になったM氏と意見交換会が開催された。
K主任とは昨年11月の住田町でのMONSTERCUP、S技師とは昨年の6月、M氏とは昨年8月の安城七夕祭り以来。2011年当時は建設課にいたメンバーも、今は違う部署に異動となっているが、懐かしい顔ぶれに思わず嬉しさがこみあげる。
県職員と市職員の決定的違いは、地元への密着度。県職員は県という枠の中で人が集まっており、必ずしも生まれ育った地元に配属になるとは限らない。しかし、市職員はほぼ全員が地元出身地元在住、そして地元配属。地域を知り尽くしているという点では比類なく、そしておいしい店の場所も教えてもらうことができる。
いろいろな話で盛り上がり、会も終盤に差し掛かったころ、震災直後の話を伺うことが出来た。修羅場とはまさにこのことと思った。2年前に机を並べて仕事をしていたメンバーが、こんなに厳しい状況を乗り越えてきたということに、尊敬してやまない。自分が同じ状況におかれたとき、冷静かつシステマチックに行動できるだろうか...そして、今、この場にいたことで、聞くことのできる話を聞けたことに感謝したい。
今日はアルコール抜きだったのが残念だったが、この集まりは定例会ということにし、次回は気仙沼で開催を約束する。
雨の弱まった45号線を気仙沼へと戻った。