今朝の三陸新報の一面には、「防潮堤整備足踏み」の見出しが。事実、仙台湾や女川に比べると気仙沼や南三陸ではなかなか前に進んでいない。利害関係者との調整はもちろんのこと、入札不調や資材の不足など、様々な要因がある。
今日はめったにない機会に恵まれた。管内で唯一の山林種苗生産農家の見学に参加できることになった。三重にも生産農家があると思うが、見かけたのは明和町で通りすがった時だけ...
職場のメンバーも興味深いようで、部長以下10名で訪問することになる。
運転してくれているI主事が「気仙沼らしくないでしょ?」と連呼するように、港町のイメージとはかけ離れた里山の中へと向かう。新緑が美しい。
八瀬という集落に入り、ほどなく苗畑に到着する。園主の菅原さんと奥さんが出迎えてくださった。
菅原さんは山林種苗の生産を手かげて25年、4代目のベテラン。
種苗生産農家は宮城県で17しかなく、気仙沼管内では菅原さん1軒のみ。主にスギ苗を生産しており、林業の盛んな登米市の津山や東和地区のほか、管内の本吉などに出荷されている。
品種はスギが殆どで、低花粉の「栗原5号」や「岩手11号」などが生産されている。一部ヒノキ苗も生産されているが、この地方ではあまり人気がなく、獣害対策も必要とのこと。
苗木の生産は、播種→移植→床替え×2→出荷というプロセスをたどり、製品になるまで3年ほどかかる。床替えとは、移植した苗を一回掘り起して再度移植し、新たな根を発生させることで強い苗にするための作業である。
ただ、気仙沼は積雪量は少ないものの、風が非常に強いため、苗にとっては非常にシビアな環境となっている。防風ネットなどが欠かせない。
小さな芽が出ている |
現在は800tほどのストックで、年8,000tの利用が予定されている。木材を持ち込むことで現金収入が得られるため、1日に何往復もされる方や、遠く大島からも搬入されている。
再度苗畑に戻り、田植え機ならぬ自動苗植え木の試乗会となる。10cm程度に育った苗の根を湿らせたものを、スロットに挿入する。メカ的には田植え機の大型版といった感じで、苗の供給が手動というのが大きな違い。こうやって植物や土に触れられるのはとても気分がいい、
本気と書いてマジと読む |
この後、動物を撮影するためのカメラの回収に向かう。ご多分に洩れず、この地方でも獣害が深刻で、シカやニホンカモシカの被害が多い。特にニホンカモシカは天然記念物のため駆除が出来ないのがネックとなっている。
クマも出るようです... |
他にそばがき、シフォンケーキなどをいただいた |
自分の担当現場に適用可能な資材を探すために、カタログを繙く。ふと、隣に置いてあるチューブファイルが目に入る。以前、バラバラになっていたカタログをまとめるために、三重の流儀にならってチューブファイルに背表紙を付けて置いておいたが、新しいファイルはインデックスも取り付けられており、格段にバージョンアップしている。このような几帳面な仕事が出来るのは、間違いなく兵庫のT氏と思われる。さすが!
緻密なT氏を見ていると、自分はこの仕事が向いてないんじゃないかな...とたまに思うことがある。ただ、自分にも長所っぽいところがありそうな感じがしている。長所を伸ばすべきか、短所を減らすべきか。両方できれば理想なんだが...
のち、S技査とともに水産漁港部と打合せとなる。自分の担当現場に関する内容だが、水漁の担当氏にとっても手掛けたことのない内容。県庁の漁港担当者への確認を依頼し、次回へと持越しとなる。
業務終了後、惰性でエスポワールに向かい、スパゲティを食べる。あ、良く考えたら昼も麺類だったっけ...