2013年5月4日土曜日

#99 KESEN Explorer -出会い-

三重からのさらなる来客をお迎えにいかなければならないにも関わらず、惰眠を貪る。
痛風に顔をゆがめるN先輩と出発する。

待ち合わせ場所にやってきた、南相馬へ足しげく通われている熱いボランティア女子、Tさんと合流。一路、市内の面瀬(おもせ)中学校の仮設へ。
ここには、災害看護のカリスマともいえる、黒田裕子さんが長期間支援活動を入られており、この日は子どもたちとお年寄りの方を対象にしたケーキのデコレーションを行っていた。

黒田さんはみえ防災市民会議のメンバーとも交流が長く、N先輩も私も面識がある。気仙沼に住んでいることを伝えると、「ここまでタクシーで\4,000かかるのよね~」と。あぁ、アッシー(死語)になるのだろうか...

引き続き、市内を回る。今まで近づいていなかった南気仙沼駅へ。
ここに駅があったことがイメージし難い
2011年7月
港に行き、三重の船籍のカツオ船などいないかな、と徘徊するも、残念ながら見つけられなかった。
無残にもへし折られた水門
浸水深の表示
他県ナンバーの観光客も沢山気仙沼を来訪されており、第十八共徳丸も人気スポットになっている。45号線を走り、陸前高田のモビリアへ。

長屋タイプ、戸建て、そして住田式仮設住宅の混在する陸前高田市最大の仮設住宅団地モビリアは、もともとはオートキャンプ場やバンガローを備えたレジャー施設。
地元の漁師さんが代表、そして元管理人さんが事務局長を務めるNPO法人陸前たがだ八起プロジェクトが仮設住宅にお住いの方の支援を行っている。

同行のN先輩とTさんが、こちらのスタッフであるNさんと静岡の災害ボランティア活動訓練で知り合ったとのことで、お話を伺うことにする。
訪れる多くのボランティアや支援活動、内包する課題や苦労などなど...

特に印象に残ったのが、「とみおさん」の話。陸前高田生まれのとみおさんは、大工さんとして長らく出稼ぎに行かれており、その出稼ぎ先で偶然拾った風船の手紙の送り主と文通を開始。とみおさんのマメな性格で、長期に渡り文通が続けられた。
そして、東日本大震災以降、以前文通をしていた生徒を見つけてくれるコーディネーターの尽力により、とみおさんは塩尻の方々と再会することができた。

他にも、毎日散歩する98歳のおばあさんのこと。自分が散歩していることが、仮設の住民を勇気づけると知っている。

Nさんに、モビリアの中を案内していただくことに。一番高い所にある展望台からは、広田湾や高田の街を一望することが出来る。震災前は、高田の松原が一直線に伸びていた。
展望台からの絶景
戸建ての仮設住宅
場内にある池には、2004年の新潟県中越地震の被災地、新潟県川口町から贈られたニシキゴイが泳いでいる。生き物の支援物資とは想像できなかったが、ニシキゴイがいることで、普段こもりがちな住民の見に来てくれるそうだ。
そして、施設内にある図書館に案内してもらったところ、民主党の岡田幹事長が来場されていた。三重から来たのは我々3名だけかと思っていたが...他にも学生ボランティアが4名ほど活動に入っている。
お約束の記念撮影
この辺りでデジカメの電池が切れてしまい、全く同機種をお持ちの事務局長のG氏からバッテリーをお借りする。Eye-fiでスマホにデータ転送するところにご興味を持たれている。Eye-fiカードが余っている方が見えたら、ぜひモビリアへ。
G氏は、以前四日市に半年ほど暮らしたことがあるそうで、ミルクロードとか聞き覚えのある名前がたくさん出ててくる。こういったところでなんとなくつながるのが嬉しい。

この日はイベントもなく来客も少なかったため、かなり長時間お邪魔してしまった。再会を祈念し、ひとまずモビリアを後にする。
途中、破壊された構造物の撮影など...
傾斜堤
中が若干吸い出された法枠。ただし枠の厚みがとてつもないため問題なし。
その後、栃ヶ沢ベースにある木村屋へ。同行者はお土産として名物「夢の樹バウム」を買い求め、自分はおやつとして、夢の樹バウムの小さい版などを入手する。
この店には、大船渡市役所派遣時の同僚Kさんが働いているので、少し声をかける。またゆっくりとお邪魔したい。
夢の樹バウムうまし!
矢作経由で気仙沼に戻り、屋台村横丁のはまらん屋で、お好み焼きに似たはまらん焼を食べ、近くの「ぴんぽん」という居酒屋へ。

1階が浸水してしまったため、同じ建物の2階で営業しているこのお店、とにかくすごい。スナックのレイアウトを改装した店内にお客さんがびっしり!しかも、外で飲食している人もいる。
席に案内されると、なぜか正面が鏡になっており、非常に落ち着かない。
頼んだメカサシなどなど、満足いく内容。ちょっと不思議な雰囲気を味わいたいお客さんが来たらご案内しよう。

ベースキャンプまで送っていただき、ここでお別れとなる。貴重な出会いをもたらしてくれたN先輩、Tさんに感謝!