2015年1月16日金曜日

#721 無理強い

最近は日年並みの気温で、それをなんとなく暖かく感じでしまうのは、この地方の気候に慣れたということだろうか。いつものように準備して、いつものように出勤する。

出発の準備をして、T班長、A主事とともに南三陸町へ向かう。
まずはNという施工箇所に関する打合せ。設計内容についていくつかリクエストをもらっていたが、残念ながらすべての希望を叶えることが出来なかった。現場代理人氏の提示する案も十二分に理解できるのだが、少し心苦しかった。

引き続き、役場へ向かう。午後の会合前にA係長、G上席主幹と下打ち合わせを行う。こちらの思惑、どのプランを選んでもG上席主幹の悩みが増えてしまうという悩ましさ。とりあえずこちらの希望を伝える。
もはやエリアマネージャという肩書を持ってもらいたいG上席主幹。元役場職員だが、本当に地域の細かい事情にまで精通しており、この方が不在だったら、正直Hという施工箇所は進まなかっただろう。

昼食はヤマウチ内の静江館へ。
牡蠣丼は美味
 食後、志津川漁港経由で戸倉へと向かう。途中、残存型枠を使用した現場を少し見せてもらう。
Hという施工箇所の現場事務所へ。現場代理人氏と設計内容の変更について説明する。本来ならもっと順調に進捗しているはずなのだが、様々な要因によって足止めを食らってしまった。事情を説明し、理解を得る。色々なことが事後で変わってしまう。簡単な一言でも、施工業者が迷惑をこうむるし、一番は近隣の方々なのだが...

14時から、漁協の支所で会合となる。Hという施工箇所背後地に水産関連用地を整備するための打合せとなる。漁協の支所長、漁業者の代表の方々、町、水漁、そして我々で打合せとなる。
貴重な意見を十分に伺うことが出来、こちらの事情も説明することが出来た。参加者全員がざっくばらんに意見を言うことが出来、前向きで建設的な打合せを行うことが出来た。
希望としては、今日で決着を願っていたが、強引に進めてもいい結果は得られないだろう。いったんボールが町とこちらに預けられたので、G上席主幹から喫緊で対応しようと話をした。

2時間半にわたる会合が終わったころには、既に外は暗くなりかけていた。一月前だったらもう真っ暗だったと思うと、日が長くなってきたなと思う。

帰庁後、Hという施工箇所の現場代理人氏から提供いただいた被災直後の東松島の写真を見る。改めて津波の脅威を目の当たりにする。改めて、この日に起こった出来事のことを思った。
月曜日の出張の準備をして帰宅する。

ベースキャンプへと戻ってから、佐賀のU氏と懇親に出かける。10か月同じ職場で働いているが、二人で出かけることは初めてだった。
昨日の一件もあり、最近U氏の優秀性がひしひしと伝わってくる。いろいろ話をしてくれる中で、佐賀は若手のエースを投入してくれたことが改めて理解できた。初めての異動で気仙沼と言う状況は、ちょっと理解しがたいものがある。しかし、その懸念を払しょくするには十二分すぎるパフォーマンスをU氏は持っている。

23時を回ったころ、散会となる。いつもより暖かい街を歩き、ベースキャンプへと戻った。