5時台の列車に乗り込むために、4時半に無理矢理起床する。前日に荷物の準備をしていなかったら終わっていた。ゴロゴロの中にドローン、カメラ一式、そしてお土産と着替えの入ったリュック...
まだ交通機関が動いていないので、最寄りのコンビニからタクシーで気仙沼駅へ向かう。
始発列車にも関わらず、Uターンの時期だからか、2両編成でもお客さんがそれなりに乗っていた。ボックスシートに陣取って、音楽を聴こうとヘッドホンを探すと、ない...音のない旅行が始まった。
定刻に一ノ関駅に到着し、普通列車に乗り換える。
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701系 |
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雪煙をまき散らしながら爆走 |
徐々にお客さんが増えた列車に揺られ、北上駅で北上線に乗り換える。時間があまりないので少し慌てる。
2両編成の列車には、「ドラゴンレール大船渡線」のステッカーが貼られていた。少し違う車両を期待していたのでショックだった。しかも、この列車を逃すと次は2時間半後。
列車は一路西へと向かう。車窓は豪雪のみ。
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土は見えない |
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豪雪すぎるほっとゆだ駅 |
途中長時間停車もなく、スムースに横手駅へと到着する。秋田第2の都市だけあって、列車を待つ客が沢山。
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先ほどの列車も後部が雪まみれ |
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さすが豪雪の地、横手 |
しばらく待っていると、秋田行きの列車が到着する。ステンレスボディが白く凍てついており、素手で触れるとくっついてしまうのではないかと危惧する。
席はすべて埋まってしまったので、立って移動する。ただ、雪煙がすさまじく、窓が凍り付いてしまい、車窓は全く拝むことが出来なかった。列車はほぼ時刻通りに大曲に到着する。
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刺さったら死ぬ... |
次の列車まで少し時間があったので、待合室にある物産売り場を物色する。ピンバッジとクリアファイルを入手する。待合室には椅子が用意されているが、沢山の帰省客ですべて埋まっている。東京行きのこまちまで30分以上あるが、皆早め早めの行動である。
角館までの一区間、こまちに乗る。次の普通列車は12時過ぎの発車。東北を侮ってはいけない。列車は5分遅れで到着、出発する。
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←東京行き 秋田行き→ |
モバイルスイカでシートマップを見ていたので、空いている席はわかっていたが、10分の乗車時間なので立って過ごすことに。しかし、既にデッキには遠方へ向かうと思しき乗客が数名...
角館に到着する。ひとまず駅前に出ると、ありえない豪雪の世界が広がっていた。
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ポスト発掘 |
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鬼畜すぎる雪 |
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全般的に埋もれている |
駅前の観光案内所で地図をもらい、荷物も預かってもらってから武家屋敷へと向かう。途中の道では至る所で除雪が行われていた。途中の地方銀行の軒先は雁木になっており、地域への愛を感じる。
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除雪者多数 |
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雪を捨てる穴 |
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落屑注意の張り紙が親切 |
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雪でつぶれるという意味が理解できる |
そして、雪の武家屋敷へ。
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雪 |
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ここでも除雪なう |
途中に岩橋家と呼ばれる武家屋敷がある。冬の間は特別に語り部によるトークセッションがあるのだが、聴いていると列車に間に合わなくなってしまうので、断念することに。途中何度も呼び込まれたが、少し気の毒だった。
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普段は内部非公開 |
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雪囲い |
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入りたかった... |
いつもより相当早く朝食を摂っていたので、既にお腹が空いてしまった。平打ち角館うどんと書かれた店で早めの昼食にする。
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稲庭うどんに酷似 |
雪の正月と言うこともあってか、観光客はまばらだった。むしろ、その雰囲気が自分にとっては良かった。
一時見せた晴れ間は消え失せ、少し雪が降る中を、再び駅へと戻る。唐土庵で必ず買わなければならない生唐土を入手し、荷物を引き上げてから秋田内陸縦貫鉄道の角館駅へ。
窓口で「阿仁マタギまで、乗車券と急行券をください」と言うと、「えっ?今日はお泊りですか?足はありますか?」と相当心配される。迎えが来るので大丈夫ですと伝え、無事発券してもらうことに。
1両編成の軽快型ディーゼルカー「急行もりよし」は少し心もとないが、たぶん大丈夫だろう。
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シートカバーはイベントカレンダー |
そして、北に向けて出発。窓はあっという間に雪煙で凍てついてしまい、外の景色を見られたのはわずかな間だった。
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果てしなく雪 |
既に寒さでスマホのバッテリーは著しく残量が低下しており、モバイルバッテリーも残量が不足。やむなく持参のPCをモバイルバッテリー代わりに
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感熱紙のきっぷ |
急行もりよしにはアテンダントが乗車しており、沿線の観光案内だけでなく、物販も担当している。せっかくなので、クリアフォルダとチョロQを買い求めた。合理化のために、急行列車は2両編成の展望車両から1両の一般車両になってしまったが、こういったサービスはいつまでも続く事を願って止まない。
下り(角館方面が下り)列車待ち合わせのため、上桧木内で停車する。しかし、20分の遅れとのことで、少しホームに出てみる。
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降りた刹那、足が嵌る |
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上り方向は雪 |
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下り方向も雪 |
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寒い... |
しばらくすると、下り列車が雪をかき分けながらやってきた。豪雪の中を走る鉄道は本当に頼もしい。そういえば、ここに至るまでにほぼ定刻で運転されている。日本の鉄道は本当にすごいと思う。
長いトンネルを抜け、阿仁マタギ駅へ。その特徴的な名前から、いつかは下車したいと思っていたが、まさかこのチャンスが訪れるとは思っていなかった。
駅前に、N技師が待っていてくれた。悪戯でカギをかけているが、頼む、早く乗せてくれ...
自分の姿を見て、「出稼ぎのおんつぁんかと思った(笑)」と。オスロ帽に大きな荷物。確かに。
N技師が推奨する打当(うっとう)温泉「マタギの湯」へ。
温泉成分が涎を垂らしたようになっているクマの置物が見どころの露天風呂の中も積雪しており、N技師に尋ねると、普段はそんなことはないと。どうやら、この季節にしては異例の大雪らしい。
先に上がって、ロビーでくつろいでいると、地元の人たちの懇親会があるようで、何人かおんつぁんが話をしている。しかし、しゃべっている内容の10%くらいしか理解できない。東北の言葉になれたとはいえ、まだまだ修行が足りない...
一通りゆっくりしてから、出発する。
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豪雪 |
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豪雪 |
そして、道の駅あにへ。
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チェーンソーアート避難中 |
店内には産直コーナーがあり、山菜を加工したものが多く並んでいるところにこの地方らしさを感じる。中には、クマの皮を使った腰当、クマの牙のアクセサリーも。
N技師は行きに寄ろうとしたところ、豪雪のあまり、国道側の入口を見失って通過したとのこと。
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豪雪 |
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豪雪 |
そして再び雪道を行く。
緩やかな峠を越え、N技師の故郷、上小阿仁村へ。もう少し山間の村をイメージしていたが、想像よりも広々とした感じだった。それは、人が住んでいるところがそう感じるだけで、周りは異なるのかもしれないが。それにしても、雪で何も見えない。
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この雪中を自転車で... |
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上小阿仁村役場 |
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押せない... |
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天然スギがシンボルツリーの中学校 |
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大海という地名通り、海のような広さ |
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N技師の故郷の集落 |
新築のN技師の実家にお招きいただき、ご家族と懇親する。きりたんぽ、ハタハタ、馬刺し...秋田の、そしてこの地方の名物、お酒、沢山いただくことに。こういった素敵な家庭でN技師は育ったんだな、と、何やら感慨深くなる。