いつもより早めに起床する。遠征先の天候を考えると、どんな服を着ていけばいいのかとても悩ましかった。厚すぎず薄すぎずの服を着て、1号機で出発する。
不幸にも、公用車の鍵を持ち帰ってしまっていたので、合庁経由で一ノ関駅へ。気温は氷点下だったものの、路面凍結もなく順調に進む。早めの到着だったが、いつもの駐車場が満車だったので、もう一つの駐車場へ。余裕を持って到着したことが功を奏した。
いつもの東北新幹線で南へと向かう。車窓も少し飽きてしまい、ほとんどスマホをいじることに費やしてしまった。E2系の初期の編成だったのでコンセントもなく、スマホのバッテリーはみるみる減少する。
大宮で急ぎ上越新幹線へと乗り換える。久しく乗ったことがないが、以前乗ったのは10年前の中越地震被災地を訪ねた時かもしれない。そういえば、その時もこの2階建てE4系だった気がする。
満席で指定席が取れなかったので自由席に向かうが、既に通路もごった返していた。やむなく階段部分に陣取ることに。40分ほどで越後湯沢駅へ。
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吐き出される人々 |
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はくたかの表示も間もなく見納め |
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連絡通路を行き交う大量の人々も見納め |
在来線ホームに降り、金沢行特急はくたかに乗車する。3月の北陸新幹線開業により廃止され、「はくたか」の名は新幹線に譲られることになる。ホームには、撮影を試みる客で賑わっていた。
満員の乗客を乗せて、はくたかは出発する。
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沿線は豪雪 |
北越急行のほくほく線へと入る。在来線最速の160km/h運転を行っているはずだが、特にその感覚はなかった。車体の気密性の影響か、客室の自動ドアが開きっ放しになるくらいか。
列車は日本海側へと出る。冬の荒れた日本海は想像できないくらい、穏やかだった。
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親不知 |
定刻に富山駅に到着する。北陸新幹線開業を目前にした駅は、複雑かつ長い仮設通路が延々と続いており、改札口まではかなり歩かされることになる。
改札を出ると、一足先に着いていた京都の友人が出迎えてくれた。ひとまず昼食を摂るために駅前の仮設お土産売り場へ。
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氷見うどん |
雨晴海岸から立山連峰を眺めたいというリクエスト以外、特に行きたいところもないとのことだったので、ひとまず海に向かうことに。
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仮設富山駅 |
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バリカーもW7系 |
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新しい富山駅は路面電車が乗り入れる |
長い地下通路を抜け、北口へ。そこから「ポートラム」に乗車する。元々はJR富山港線だったものを、LRT化した路線である。こういった公共交通を核としたコンパクトシティを実現するため、肝入りで進められた事業。
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GKデザインのポートラム |
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路面電車につきものの段差はなし |
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フルフラット |
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車内もフルフラット |
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全7色のうち、今日は青 |
静かに、そしてスムースにトラムは街を行く。途中、通常の鉄道では考えられないタイトコーナーを曲がる際、不思議な挙動をしたことには驚いたが...
そして、終点の岩瀬浜へ。
駅前からはポートラムと接続するフィーダーバスが出ており、ここも段差なく乗り換えすることが可能である。
次の接続まで1時間。少し周辺を散策する。
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立山連峰とポートラム |
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北陸新幹線色の船 |
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ロシア語表記 |
まだ時間に余裕があったので、レンタサイクルで周辺を散策することに。近くにあった展望台から周囲を眺める。
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富山港展望台 |
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立山連峰 |
そして、窓ガラスに記された「薬師岳」という文字を見つける。亡父が話していた同級生の遭難事故のことが頭を過る。多くの友を亡くしたその出来事。年老いてからも、話すたびに涙していたことを思い出す。震災でも、同じようなことが数多起こったことだろう...
再びレンタサイクルに乗る。落ち着いた漁村、そして被災地で日々過ごしていると、沿岸部にこういった集落が存在していることが新鮮だった。
レンタサイクルを返却し、再び岩瀬浜駅へ向かう。
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雪つり |
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サツキには雪覆い |
次は、土日祝日のみ運行の、ポートラムと県営渡船、海王丸パークを接続するバスへ。普通のマイクロバスがやってきたのが楽しかった。ほろ酔い気分の観光客数名と同居する車内は、さながら社員旅行のようだった。
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ポートラムと並走 |
海沿いの平坦な集落を抜ける。黒い瓦の家が多いのがこの地方の特徴。建築に携わる友人は、移り行く街並みを興味深く眺めている。富山はどこも色彩、デザイン的に調和のとれた街並みが続いている。
そして、新湊大橋のたもとにたる渡船場で下車。
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渋すぎる雰囲気 |
春のような温かさの中では、船を待つことも苦にならなかった。20分ほど待つと、対岸から小舟がやってきた。
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県営で無料 |
元々は陸路で繋がっていたが、分断されたために渡船が出来たと別の客が解説していた。
もう少し調べてみると、元々は富山地方鉄道射水線が走っており、富山新港の建設ともに分断され、その代替手段として渡船が誕生したとのことだった。港の整備により長らく分断されていた両岸は、新湊大橋の開通により再び連絡されることとなった。
対岸の越の潟で船を降り、歩いて新湊大橋へ。
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立山連峰と大橋 |
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海王丸 |
新湊大橋には「あいの風プロムナード」と呼ばれる歩行者通路が設けられている。エレベーターに乗って様子を見に行く。
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凄い... |
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高い... |
時間的都合もあり、橋を渡ることは叶わなかった。
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望遠レンズで立山連峰 |
再び越の潟に戻り、渡船場脇の駅から万葉線に乗る。
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ポートラムとほぼ同型の車両は佐藤康三氏デザイン |
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同じくフルフラット |
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同じく段差なし |
少しの客を乗せて、アイトラムは発車する。立川志の輔のハイテンションなナレーションとバンピーな乗り味はさすがというかなんというか...
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専用軌道を疾走 |
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川を渡る |
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併用軌道ですれ違い |
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国宝を発見 |
そして、高岡の市街地を抜けて装いを新たにした高岡駅へ。
前回訪問時には工事真っ只中だったが、美しく完成した駅舎は、トラムを内包する最新のアーキテクトだった。
北口から構内の自由通路を抜けつつ、夕食代わりのますのすし、ぶりのすし、アルコール類を買い求めて南口へ。
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開業まであと21日 |
宿へ向かう送迎バスを探していたら、おもむろにタクシーの運転士さんに話しかけられる。どうやらバスと思っていた送迎は、人数が少ないことからタクシーになっていた。
およそ30分でホテル着。買ってきた寿司で夕食を摂り、大きい浴場に入る。春節だからか、中国人観光客が多いように感じた。