予約しておいた朝食を摂りに、食堂車へ向かう。普段はグラノーラばかりなので、ここ数日朝食には恵まれている。
北海道の雄大な土地を眺めながら列車は北へ向かう。
東京から来たカシオペアにトラブルが発生し、それに影響されて10分強遅れたものの、住宅の密集地をラストスパートして札幌駅へ。
ホームはにわか撮影会場と化していた。
次の乗り換えが非常にシビアなため、前もって食事をしておこうと駅弁を買い求める。なんかの魚と鮭の寿司。
昨晩の反省を生かし、少し早目に特急スーパーカムイの自由席乗り場に並ぶ。
定刻通りに出発する満席の特急は、旭川に向けて雪原を疾走する。
乗り換え時間が3分しかない旭川でダッシュする。次の名寄行は懐かしい2両編成のディーゼルカー。
少しのお客さんを乗せて、雪に埋もれる線路をさらに北へ。
二重窓 |
列車がやや遅れてしまい、名寄で急いで物資調達を行い、稚内行の普通に乗り込む。
車内には、大きな福袋を抱えた老夫婦、そして自分を含めて5名。雪のせいもあってか、とても静か。途中、普通列車なのに駅を通過する。飛び去っていく駅は確かに雪で埋もれていた。
美深という駅で、見たことのない変わった車両とすれ違う。慌てて外に出てみるとラッセル車だった。ニュース映像や止まっているところを見たことはあるが、実際に動いているシーンを目の当たりにするのは初めてだ。今日は天候が荒れており、雪がどんどん積もってきている。
何もなさそうな途中駅から2名乗り込んでくる。後で知ることになるが、ラッセル車の写真撮影を行っていたとのこと。
音威子府に到着する。後からやってくる臨時快速に乗り換えるため、1時間ほど小休止。
駅前を散策するも、よく考えたら元旦。店はどこも閉まっていた。
構内の蕎麦屋さんも休み |
閑散とする通り |
殺人的つらら |
しめ縄 |
埋没するクルマ |
味わい深い建物 |
凍てつく自販機 |
しばらくすると、スーパーカブに乗った二人組がやってきた。ナンバーを見るとなんと伊勢市!声を掛けてみたら、3日ほど前から北海道に上陸し、昨晩は宗谷岬でテントを張っていたとのこと。同じような人たちが30人くらいいたそうだ。彼らの勇気に感服する。
カメラの性能を試してみようと、構内で撮影に勤しむ。何を撮っても絵になるのは北海道のなせる業か。
30分ほど遅れてやってきた臨時快速は2両編成。後部にお座敷車両を連結していたので、そちらを選択してみる。長時間の疲れからなのか、車内は気怠さが支配していた。
外を窺うこともできないので、以前買い求めた吉村昭著の「赤い人」を読む。
2時間が経過し、列車は稚内駅に到着した。日本最北端の駅。最南端、最西端(いずれも沖縄)は訪問済み、他にも本土最南端、最西端、本州最南端、最東端など、いくつか訪ねたことがある。今までずっと憧れていた場所に来れたのは感無量だ。
パウダースノーの道を歩いて宿へ。
荷物を置いて稚内の名所である北防波堤ドームへ。しかし、全く方向を間違えてしまい、あわてて引き返す。
元旦から仕事モードに入ってしまう。直立タイプの防波堤の裏側は化粧型枠で仕上げられていて、海が見えるように歩道が整備されている。
そして北防波堤ドームへ。防潮堤が観光施設に、という意見が出たときがあったが、このような美しい造形をみると、それもあながち不可能ではないと思える。昼間に見たことはないが、夜の方が美しいフォルムが際立っているような気がする。
一角には、稚泊航路の記念碑が。
港には、離島航路の船が停泊していた。
稚内駅で入場券を買い求める。そして、店がどこも開いていないので、やむを得ず隣接するコンビニで夕食を調達する。せめてもと、北海道らしいものを選んで抵抗する。
小雪も舞い、外はめっきり冷え切っているが、少し歩いたからか思ったほど寒くはなかった。