2014年1月23日木曜日

#363 悪寒

窓の外がぼんやりと白くなっている。開けてみると案の定、雪がうっすらと積もっていた。天気は良好、風もない。厚着をして歩いて出勤したら、合庁に到着するころには汗ばんでいた。
いくつか事務処理を済ませ、I主事とともに南三陸へ出発する。長靴に入れるインナーまで用意していたら、I主事から嘲笑を受ける。いや、絶対に自分は勝ち組だと言い張る。
車載の温度計は0℃を指している。道路にもまだ雪が残っている。45号線はいつもよりペースが遅い。

歌津の現場で書類を受領し、南三陸さんさん商店街で昼食となる。どこに行こうか迷った時は、志のやに向かう。I主事は日替わりを、自分は海老天丼を注文した。
学生のころ、四日市港でアルバイトしていたときの社長、N氏から電話が入る。昨日からサポートしているパソコンのトラブル。まだ解決に至っていないようだが、サイトに書かれている手順に従うように伝える。

戸倉のHという施工予定地へ。海沿いで遮るものが何もない場所なので、寒風が容赦なく吹き付ける。ヤッケ(下)も装備し、万全の態勢で臨む。I主事はしきりに寒いとこぼしている。ほらね~!
コンサルタントの担当氏と、復元された用地境界杭を確認する。地震により、志津川で4mほど海側に土地が伸びたが、地籍調査で得られている座標はパラメータ変換が行われており、杭の残っている場所では、座標と現地がほぼドンピシャで合う。地籍調査のありがたみを再度実感する。
丘の上にある杭を確認していると、I主事が石に文字が刻まれているのを発見し、「これ、墓だよね?」と声を上げる。転倒した石碑には「宝暦」や「嘉永」といった元号が刻まれており、文字を見ても墓石であることが間違いなさそうだった。

引き続き、隣接する法面の施工現場へ。材料研修を行った後、整形が完了した状況を確認する。相当条件が厳しい現場だが、チーム二戸の活躍によって、想像以上の出来栄えだった。斜面整形により、上部のクラックが拡大していないか確認したが、全く問題なかった。しかし、この高さとこの角度は、いつ来てもあまり気分のいいものではない。
安全衛生管理者代行である白い猫「シロ(仮称)」は、重機が動き出してから姿を見せなくなったとのこと。寒いこともあるからだろうが、少し寂しい。

帰路、南三陸町役場に立ち寄る。コンタクトしたかった企画課のN上席主幹は不在だった。改めてメールを送ることに。

帰庁後も、もろもろ溜めてしまわないように事務処理を済ませる。S技査に墓を見つけた話をしたところ、ある施工現場で起きたゾッとするような話を聞かされる。ううっ...
しばらくして、市役所に打合せに出かけられていたA総括、S技術主幹、T班長が帰庁される。打合せの結果を少し聞く。もろもろ、いい方向に進んでいるようだ。

業務終了後、久しぶりにこけしへ。野菜不足を補うために中華飯を食べる。お客さんの一人が店員さんに「もう3年になるんだねぇ。」と語りかけていた。被災地に住んでいると、ここが被災地であることを意識しなくなってしまう時がある。住んでいる人は、もっと強くそのことを感じているのではないかと思う。