2013年12月31日火曜日

#340 格別な年越し

8時に起床を試みるも、残念ながら2度寝をしてしまう。しかし、起きないと何もかもが台無しになってしまう。

既に先日から雑煮を食べているが、加えてフライングでおせち料理も出してもらった。一足早く正月気分を味わう。
角餅にすまし汁以外は認めない
ちょこっとおせち
荷物を軽量化しようと無駄な努力をしてみたが、結局バックパックは究極に重たくなってしまった。肩に食い込む重さに耐えながら駅へと向かう。しかし、穏やか過ぎる天候で汗ばんでしまう。

名古屋から新幹線で米原に向かう。コスト削減のおり、自由席を選択したが特に問題はなかった。天むすを頬張りながら車窓を眺める。しかし、乗客が米原で大量に下車し、ほぼすべてが特急しらさぎのホームに向かう。
自由席車両に乗り込めず、指定席車両の通路に誘導される。地獄の30分を終え、敦賀に到着。駅の売店で物資を買い求める。

しばらく待つと、3番ホームに濃緑の編成が滑り込む。久々の夜行列車、初めてのトワイライトエクスプレスに胸が高鳴る。
個室を希望したが、あいにくすべて満席。Bコンパートメントと呼ばれる、開放型B寝台の廊下側に扉を付けた車両になる。
先客が見えたので挨拶がてら少し話をする。鉄道好きの体の大きな方だった。歳は自分より少し上。北斗星→トワイライトエクスプレス→トワイライトエクスプレス(今ここ)→北斗星という凄まじい移動をされている。世の中、上には上がいる。

昼間の食堂営業をやっているJRの特急列車はトワイライトエクスプレスだけになってしまった。折角なので昼食を摂りに向かう。
 オムライスはあいにく売り切れ、海老のグラタンを頼むことにした。値段は妥当。味は満足だった。
車内をうろうろする。食堂車の隣、4号車は「サロン・デュノール」と呼ばれるロビーカーになっている。
シャワールームで汗を流す。占有時間30分のうち、6分間だけ利用可能。

本来この列車では12,000円のフランス料理を食べることが望まれるが、あいにく予約が出来ず、弁当を注文することに。
しばらくすると、「カウントダウンパーティー」の案内があった。こういったイベントを期待していたので申込に行こうとすると、時すでに遅し。35名の定員に達していた。20時くらいから並んでおけばよかった...

食堂車は、22時からパブタイム。
時折通過する駅の灯、漆黒に浮かび上がる街灯。ゆったりとした時間が流れていく。
年越しをサロン・デュノールで迎えようと急ぎ向かう。隣の食堂車「ダイナープレヤデス」でパーティーが行われているからか、無人だった。
列車の中で迎える年越しは格別だった。北海道新幹線の開業とともに、この寝台特急は廃止を迎える。こういった機会には二度と巡り会えないかもしれない。

一人二人とカメラをもった客が。上りのトワイライトエクスプレスと交換する。
しばらくすると、パーティーを終えた客が大挙して押しかける。手には福袋と書かれたお土産。いたたまれなくなり自分のブースに戻る。

人生初の上段寝台は、心地よさとは無縁の激しい動揺。果たして眠れるのかどうか...。