2013年10月21日月曜日

#269 責任

昨晩の雨も上がり、暖かな朝を迎える。いつものように準備をして、いつものように出勤する。先週とは違って、風が冷たくない。

朝一、土木事務所から唐桑での台風被害について連絡があった。S技査と手分けして、台帳を確認したり、周辺の地図などをそろえる。自分の現場のことがあるので、そちらはお任せしておくことにする。
歌津の現場代理人のS氏から、台風後に転倒した土のうの応急対応について現場で相談したいと電話が入るが、県庁に打合せに行っているT班長からのGOサインを待っていると伝える。そしてコンサルの担当氏から設計の技術基準に関する問い合わせが入る。他にも色々な場所からアクセスがあり、落ち着かない。

昼前にGOサインが出たので、昼一で現場打合せを行うために歌津へ向かう。途中、最近定番の日門(ひかど)食堂でカツカレーを食べる。最近カレー率が非常に高い。
45号線から垣間見る海には白いものが目立つ。
歌津の施工予定箇所に到着し、作業の段取りなど打ち合わせる。手順を間違えると機械が入らなくなってしまうので注意が必要だ。次の台風が来る前に、取り返しのつかない事態になるまえに土のうを直しておかないと地元の信頼を失いかねない。

ついでに現場も見るが、既に波が高くなっていて今日は休工。代理人のS氏は、前回と同じ結果にならないように対策を講じてくれている。しかし、もうすぐ11月というのに、呪われているとしか思えないくらいに台風が直撃してくる。
現場を後にしようとしたところ、熊野のN君から電話が入り、顔が青ざめる。うわの空で合庁に戻る。

台風26号の被害が、自分だけでなくT氏にも影響を及ぼしている。設計途中の現場状況が大きく変化してしまっていた。
帰庁したT班長に何点か報告し、引き続き月末に東京行きとなる工事関連の書類作成に臨む。台風という自然災害の影響で、追加の業務が発生してしまう。誰を恨むことも出来ないが...

職場が静まり返ったころ、同期でもある熊野のS君から電話が入る。昨年度自分が担当した現場に関する複数の問い合わせを受ける。N君をはじめ、自分の詰めの甘さ、無知さをフォローしてくれる優秀な後任者がいてくれることに感謝してやまない。

昔、ある方から「長く務めることが信頼を生む」と話されたことがあった。それは、組織の話だけでなく、同じ所属に長くいることもあてはまるだろう。宮仕えの身であるのでやむを得ないが、それでも熊野を1年で出てしまった自分は、いろいろなことに対し、最後まで面倒を見ることが出来なかった。自分で選んだ道とはいえ、今、ここにいることを初めて後悔した。
ここ1週間に三重で起きるであろう出来事によって、期待して自分を送り出してくださった方々を裏切ることになることが想定される。大変申し訳なく思い、そしてあまりにも心苦しい。