2013年10月16日水曜日

#264 豹変

少しどころか、肌寒すぎる朝を迎える。台風が東北に向かっており、外は風雨が強くなっていた。カッパとゴアテックスの登山靴というフル装備で出勤する。職場にはびしょびしょの服がたくさん掛けられていたが、自分はサラッサラの状態。

昨日のヒアリング結果について、H技査と打合せを行う。今後のスケジュールが変更されることになり、作成する必要のある資料の中身についても、改めて情報共有を行う。
外は強風と豪雨に見舞われているが、幸いにも停電になったりせず、業務を続行する。コンサルタントの担当氏と電話で打合せする。
台風の非ライブカメラ
午後、雨が上がったタイミングを見計らって、歌津の現場に向かう。クルマから眺められる景色に特に異変はなかったが、45号線から垣間見える海には白い波濤が。
現場ハウスが見えてきたころに、正面には普段見えることのない水柱が上がっていた。非常に嫌な予感がする。
代理人のS氏に尋ねると、あまり状況は良くない感じだ。一緒に現場に向かう。

普段の様相とは違いすぎる漁港には、何時になく人がいる。忙しく船を移動させる漁師さんたちの脇を抜け、現場に、たどり着けない。防波堤を波が乗り越えてきている。いつもとは全く違う、豹変し、牙をむく海が怖い。
防潮堤を乗り越える高波
少し高い所から現場の写真を撮る。嵩上げした防潮堤はおそらく無傷だが、仮設道路は殆ど消失していた。
見たことのない高波
役場のS上席技術主幹もやってきて、少し状況について話をしていたら、最大の波がやってきたので、猛ダッシュで退避する。危ない、自分が被災するところだった...
防波堤の内側に係留されている漁船も、越える波になんとか抗っていた。
引き続き施工予定箇所も確認する。防潮堤が破壊された場所に設置した大型土のう、形が変わっている。地盤沈下と失われた防潮堤が、この地区を危険な状況に追い込んでいる。とにかく建設を急ぎたい。
以前お宅を訪問したご近所の方が、赤ちゃんをおぶってみえた。ここまで激しく波が上がるのは、震災以降初めてとのことだった。自分の現場の施工業者は、この付近の道路維持管理の業務も請け負っており、現場を見に来られた社長が素早く打ち上げられた砂利の撤去を手配されていた。この業者の地域密着度の高さに、いつも感心する。今後の対応などをS氏と打合せ、現場を後にする。

帰庁後上司に報告し、立て直しのための検討を行う。一旦キリがついたので、コンサルから送付された資料をチェックする。すると、今日中に完成させる予定だった書類を完成させていないことを思い出す。あぁ…遅く帰庁されたT班長に今日の状況を報告してから、なんとか資料作成を終えた。

業務終了後、コンビニで晩御飯を調達。ベースキャンプでたまりにたまった洗濯をする。暑かった三重とは大きく異なり、日中でも12℃ととても寒かった。台風をきっかけに、季節も豹変した。