2013年10月20日日曜日

#268 井戸端会議

強烈な頭痛に襲われ、惰眠を貪るというより起きることが出来なかった。時計を見たら12時。やむを得ず起床し、小雨のそぼ降る中ひとまず食事に出かける。水沢にある後藤新平博物館に行こうかとも悩むが、今日は遠出する気にはなれなかった。

最近行きつけとなりつつある新来軒で玉子うどんを食べる。「今日はお休みだね?」とおばちゃんから声を掛けられ、「おかずがなくてごめんね」と。確実に自分が何者かを知っているような問いかけ。誰かと間違えているか、祭りのときに顔を合わせたのかな?
引き続き、気仙沼の母の元へ帰省のお土産を届けに行く。店には灯がついていてラジオもつきっぱなし。しかし、呼び鈴が鳴るものの出てこられない。最悪の事態を想定したが、外からひょっこり顔を出される。

ハマグリの時雨とカボスをお渡しする。すると、お茶菓子にマルセイバターサンドをいただいてしまう。いつ食べてもおいしい、自分の大好物だ。
色々話をしていると電話がかかってきた。自分が「うにのおばさん」と勝手に呼んでいるOさんだった。祭りのときにお会いし、その後プラザホテルでもお会いしている、数少ない地元の知り合いだ。

よもやま話に花を咲かせていると、どうしても震災の話になる。様々な支援制度の難しさや、一軒家を再建したい話、近くの川の防潮堤が早くできてほしいことなどなど...。実家にいると頻繁に母の友人がやってくるが、その雰囲気に似ている。震災がなければ、自分がこうやってお茶を飲んでねまるなど考えられないが...

Oさんの亡夫は船に乗られていたそうで、1年半に1回くらいしか戻ってこられないかったとのこと。今のように衛星携帯電話のないころは、電報や三陸新報に載っている漁業通信が消息を知る手立てだったとのこと。そういう家庭が気仙沼には多いそうで、改めてこの街のユニークさを知ることになった。

さんざん話をしてからベースキャンプへと戻る。頭痛はあまり芳しくないので、温泉に行こうかという思いも失せ、また一眠りしてしまった。外は雨脚が強くなっており、食事に出かけるのも面倒になってしまい、コンビニで夕食を調達する。

遅くなってしまったが、今日の三陸新報に目を通す。一面には、以前少し文句を言ってしまった記者さんが書かれた防潮堤の陸閘についての記事が載っている。「商売よりも命が優先」と、きちんと書いてくれてあり、全体として明確な問題提起がなされていて良い記事だった。
今日は半径100mくらいしか移動していないが、ご近所さんとより親しくなれただけでも大きな成果があった。