2014年11月20日木曜日

#664 比較

今日も変わらず寒い朝を迎える。これからもっと寒くなることはわかっているのだが、まだ11月なのに、この寒さは許しがたい。
新聞やネットニュースには、前向きな話題をいくつか見かける。少し前の記事では、志津川の買い上げ宅地と民地がモザイク状になってしまったところを、うまく換地できるようにする条例の制定、今日は隘路の化粧坂を迂回するバイパス建設の記事。ネットでは石巻のウェットスーツを作るメーカーが、被災者とコラボして作ったアクセサリーのこと...
いつものように準備して、いつものように出勤する。

次の発注に向けた諸準備などを進める。メンバーの多くが現場に出向いてしまったので、比較的職場は静穏だった。

三重のホームページに、県庁の食堂が東北フェアを行うと掲載されていた。被災地への思いが希薄になりつつある中で、このニュースはうれしい。そして、自分あての郵便物が届けられる。三重の林業普及協会からの封筒には、「三重の林業」が同梱されていた。目を通すと、前回の帰省時に立ち寄ったイベントの記事などが載っており、少し懐かしく思う。いずれはここにいることを寄稿したいなと思う。
非ライブカメラA
岩手県大船渡農林センターに派遣されているF主事に無理を言って提供してもらった、防潮堤の平面図、標準断面図を紐解く。宮城、岩手、福島の三県では、一様にL1防潮堤の整備を行っているが、建設に際しての技術基準は、各県の考え方が反映されている。三県で一番厳格にルールを規定しているのがおそらく宮城、岩手は宮城と類似している部分もあるが、そうでない部分もある。福島は既存の延長線上で考えられている。

技術基準一つで、施設整備にかかるコストやマテリアルが大きく変わってくる。コンクリートのボリュームを圧縮できれば、他の復旧事業に回すことが出来る。コストを下げることが出来れば、他に回すことが出来る。ただ防潮堤にだけ目を向けるのではなく、広い視点で見なければならないと感じる。これも、隣県と比較できるからわかることだが...

最近、佐賀から派遣のU氏が、いろいろと手を差し伸べてくれる。レーザープロファイラーを活用した全県の森林データの収集は、日本で佐賀しかやっていないと話すと、資料を入手してくれると申し出てくれた。

そして、佐賀独自の異動希望の際に提出する「コンピテンシー」というシートを見せてもらう。行政職員として求められる資質について、5段階で評価するものである。項目は非常に多岐にわたっており、当然のように、二人の評価者のチェックを受けるようになっている。また、職場内外の積極的な取組についても評価される仕組になっており、全体的に客観性を持つものになっている。
佐賀はテレワークと言い、実は最先端を行っている自治体なのではと思う。15年前の三重がそのように言われていたように。
こうやって、他県の状況がすぐ把握でき、比較できるのは、本当にメリットである。それをチャンスと思わないのは、無駄以外何物でもない...

日が陰ってから、中間検査に出かけていたK氏が帰庁する。兵庫とのあまりのギャップに驚きを隠せなかったようだ。自分も昨年、全く同じ思いをしている。こういったギャップはメンタル的にダメージを与えてしまうことになるので、フォローも欠かせないが...

夕刻、ありがたい連絡が2つあった。一つは三陸新報のO記者が取材に訪問したいとのこと、もう一つは熊野の時の上司が気仙沼に来てくださること。吉報に思わず顔がほころぶ。

業務終了後、県庁から出張で訪れている森林整備課のA総括、I、K主任主査を交えて、より道で懇親会となる。こちらからはK氏も含めて7名参加。
食べきれないくらいの刺し盛りなどがサーブされたころ、鹿児島のk氏が夕食を摂りに現れる。結局、いつものメンバーでわいわい騒ぐことになってしまった。比較的早めの散会となり、K氏とともにベースキャンプへと戻る。

少しダラダラしていると、見慣れぬ番号から着信が入る。来週宿泊予定のホテルからで、「22時までのチェックインなんですが...」と。しまった、日を間違えて予約してしまった...訪問時に今日の宿泊代はお支払しますと伝えて、電話を切る。被災地のホテルに迷惑をかけてしまった...