2014年6月24日火曜日

#515 Sustainable

ふ昨日よりは幾分涼しい朝を迎える。三陸だから…と思ったが、昨日が特別暑かったようだ。いつものように準備して、いつものように出勤する。

隙を見せると、机上には書類が積み上げられていた。ささっと裁いて、H主任主査とN技師とともに、昨日の打合せ結果を共有するミーティングを行う。最近、H主任主査のリーダーシップがとてもありがたい。出された宿題を処理し、総務のS主事から依頼されている入札関連の資料を用意する。

机上に置かれていた「治山」という冊子に、森林整備課のK課長の手記が掲載されていた。「三重県、兵庫県、徳島県及び高知県から、治山や保安林のエキスパートを...」というくだりに、顔から火が出る思いだった。自分がエキスパートだったら、三重にはハイパーエキスパートやメガエキスパートがゴロゴロいる。
午後、治山班のM技査から連絡が入る。Hという施工予定箇所に関しての問い合わせだった。いろいろな視点から確認作業が行われている。そして、政策提案に関する資料作成を行う。文書がなかなか思い浮かばず、「これなんじゃない」的な内容になってしまう。うーん、インパクトが弱い...

業務終了後、大型ショッピングセンターのクリーニング店に寄り、ベースキャンプへと戻る。途中、気仙沼の母に会い、住田に出かけることを告げると「なに?またお祭り?」と聞かれるが、いえ、今日は勉強会なんです…と伝える。1号機で向かうことに。

住田町役場の2階で、気仙木質エネルギー推進協議会の総会が開催されている。自分はもちろんこの協議会のメンバーではないが、今の取組の状況を知ろうと忍び込んでいる。
協議会では、企業などへのチップボイラーの導入と家庭へのペレットストーブの導入に取り組んでいる。ものすごい勢いとか、ものすごい補助金が、ということはなく、着実に前に進んでいる感がする。課題を一つづつ潰している感がとてもよい。この地方のペースに合っている気がする。

総会終了後、岩手県内にあるボイラーメーカーの方から話があった。瞬発力のある石油と持続力のある木質燃料の違いを活用し、ベストミックスすればよいと話される。防潮堤も、コンクリートと森のベストミックスで...
この後懇親会が開催されるが、ドロンさせていただく。

港湾のような巨大施設が照らされている高田の街を抜ける。ふと、ペレットやチップなど燃料のことが頭をよぎる。石油に比べるとはるかに安全な燃料なので、販売に関しての資格などはたぶんなさそう。燃料の質も、ボイラー側の改良によって、幅広く受け入れられるようになっている。
木質系エネルギー活用の理由に、森林整備を加速させるということがある。ただ、低質な燃料が海外から大量に輸入されたりすると、こういった目論見はすべておじゃんになる。

また、燃料供給の永続性について気になった。産業用チップボイラーを導入してペイするまでに、平均23.7年かかると試算されていた。つまり23.7年後までに安定した燃料供給が行われなければならない。
森林も、林業も、事業体も、23.7年後に無くなるとは考えられない。しかし、チップの製造は無くなっているかもしれない。こういった持続可能性を担保することは難しい。他地域と価格も比較されるだろうし、かといって赤字垂れ流しで作り続けることも困難である。うーん、悩みは尽きない...

気仙沼に着いたころには、行きつけの店は既に閉まっている。仕方なく、牛丼チェーン店で夕食を済ませた。