2014年7月21日月曜日

#542 未来予想 -10年- 2日目

特に起きる時間を決めていたわけではなかったが、8時半ごろには起床する。コンビニで朝食を買えなかったので、頼んでおけばよかったと少し後悔する。

夏代能な天候の中、ひとまずコンビニで朝食を食べる。10年前に大きくダメージを受けていた駅前通りは、その痕跡を残していなかった。
小千谷バイパスを抜け、妙見メモリアルパークへ。皆川優太君の救出、東京消防庁のハイパーレスキュー、10年前の出来事が蘇ってくる。しかし、今は国道もすっかり復旧が成し遂げられており、法面は青々と緑化していた。
引き続き、震央へ。途中給油を済ませ、頭に叩き込んだ道なりに進もうと思ったが、案の定曲がるべき交差点を通過していた。引き返して山の中へ。
震央周辺はメモリアルパークとして整備されており、ウッドチップの敷き詰められた小路を行く。途中クモの巣に出迎えてもらいながら...
震央の碑
比較の対象ではないが、改めて東日本大震災のMの大きさに驚く...
里山公園とセット
周辺の眺め
引き続き、木籠(こごも)へと向かう。地すべり対策工事が進められており、地肌の露わになっている山を見ると、復旧には時間がかかると感じる。
地すべり対策
ところどころ土が...
砂防堰堤は急速施工できるタイプ
木籠地区に到着する。田舎の駄菓子屋的雰囲気を漂わせる郷見庵に立ち寄る。
店に寄ろうとしたら、老爺から話しかける。長岡市でも海沿いの寺泊から来られているとのこと。ペットボトルを加工した風車を作り、ここで販売をされている。何となく、ここが落ち着くとのことだった。その気持ちは十分理解できる。自分もとてもくつろいでいる。
地元っぽいアイス
おもてなし感
 郷見庵には資料館が併設されており、見学することに。
高所移転の模型
芋川の浸水域
この集落は芋川の河道閉塞により、水没してしまった。一部は高所移転し、新たに居を構えている。
移転した集落
記念碑
朽ち果てつつある建物
この草地に集落が存在した
引き続き、日本最長の手掘りトンネルと言われる中山隧道へ。
ナローすぎてエンジン付き乗り物は禁止
ガチ真っ暗で怖すぎ
続いて、十二平へ。10年前は道路上に建物が倒壊しており、先に進めなかった場所である。しかし、建物は大多数がなくなっており、記念碑が置かれている。
「じょんでぇら」が通の読み方
恐らく、ここに住居があった方のお名前
そして、芋川の河道閉塞場所へ。大規模な構造物により安定した河道が確保されており、過去を知らなければここで何があったかわからないだろう。
途中、山古志闘牛場の近くにある「天空の郷」と呼ばれる集落を見る。しかし、生活空間でもあるので撮影は外から行う。
お昼まで少し時間があるので、種苧原へ。途中の道はきれいに整備されており、走る分には当たり前だが震災を感じることはなかった。
そして、若干こはずかしながらも、アルパカ牧場へ。
ぐんなり
毛が刈られて、不思議な生き物に
ラクダ系
フーン
アルパカの排泄物を肥料にする「アルパカ米」
なぜ山古志がアルパカなのか不明だったが、支援の一環として送られたアルパカを、畜産を得意とする山古志の人々が産業に結び付けた。得意分野を活かしている感がたまらなく良い。

再び来た道を戻り、虫亀へと向かう。途中、超絶絶景ポイントを見つけ、思わず立ち止まる。そして、木陰の絶景ポイントはきれいに整備されており、ベンチが置かれている。
まさに箱庭のような美しさ
5号機と記念撮影
昨日忘れ物をしてしまったので、再び多菜田へ。なつこさんはお土産を用意してくださっていた。本当に申し訳なく...
揚げた餅の入った金倉そばも美味!
たった1日ほどしか滞在しなかった山古志、何だろうこの暖かさ、また来たくなる感じ...もちろん、自分が知ることのできなかった復興の課題も沢山あるだろう。しかし、全国から来客のある山古志は、理想の復興を成し遂げているように思えてならない。三陸も、沢山のお客さんを迎え入れる暖かい復興地になることを期待してやまない。

いざ帰路に着く。長岡から高速が最速ルートだが、やはり下道を選んでしまう。種苧原から気持ちのいい県道を抜けて栃尾へ。
市街地を走っていると、雁木の街並みを見かけたので、「雁木の駅」というところに立ち寄る。
管理人さんに地図をもらって、しばし散策する。
おしゃれな地図
バス停も味わい深い
番地表示も味わい深い
緩やかなカーブも味わい深い
スクーターも味わい深い
木彫りの看板も味わい深い
家と密着していない雁木
まさに雁木
雁木は家の一部
看板も味わい深い
大学とのコラボで生まれた雁木はアバンギャルド
閉店した病院も味わい深い
日の丸の掲げられた雁木
ごみ捨て場も雁木
再び雁木の駅に戻る。管理人さんがコーヒーをごちそうしてくださる。本当に中越は暖かい!せっかくなので、いろいろとお話を伺うことに。

雪国独自の文化がはぐくんだ雁木は、冬でも人の往来を絶やさないために設けられたもの。各々の軒先を共有し、人が行きかうことのできる通路として整備された。公有地ではなく私有地なので、生活の一部となり、歩いていると人の息吹を感じることが出来る。
ただ、中心市街地の空洞化は避けられず、連続することによって機能を発揮する雁木は虫食い状態になってしまっていた。そこで、10年以上前から市民、新潟大学、行政が一体となって雁木の魅力を再発掘することに取り組んでいる。欠けている部分には毎年1つづつ雁木を整備し、本来の機能を発揮するように取り組んでいる。

他にも管理人さんとプライベートな話などで盛り上がる。時計を見ると16時を回っている。そろそろシンデレラの時間なので、ここを後にする。

道の駅とちおでお土産など買い物をしておく。
粒入り
しばらく下道を走ることに。途中面白い場所が沢山ある。
地元用自動車練習場。ほしい...
蒲原鉄道の機関車
同電車
もはや国宝級...
保存状態は良好 ちなみに加茂市文化財
阿賀町の日本最大「将軍杉」
台杉のような状態
巨大すぎて全貌を把握できず…
この時点で時間は既に18時。果たして今日中に帰宅できるのだろうか...
津川ICから磐越道に乗る。途中の磐梯山SAで喜多方ラーメンを食べる。
途中何度か休憩をし、今日中になんとか帰宅出来た。