真夏を彷彿させる青空に恵まれた。卒業試験のために休暇を取っているので、いつもより少し遅い時間に起床し、準備をして3号機で出発する。
途中の片側交互通行やもろもろで歩みが遅く、余裕をもって出発したはずなのに、千厩の会場に到着は集合時間の数分前だった。
同じく試験を受けるN技師と談笑し、試験内容の説明を受けてから一旦待機となる。今日の受験者は3名で、もう一人の受験者、後で名前を知るが、トンネルマンことH氏が話しかけてくれた。緊張が高まりつつある中、愛媛からトンネルの開削工事にやってきたH氏の軽妙なトークに心が安らぐ。
程なくして、再度試験方法の説明があって、いざスタートとなる。一人ずつの試験で、まずH氏からスタート。そつなく課題をクリアして、自分の番となる。
緊張度は激MAXとなっており、今までの講習で実践できていたことが出来なくなる。動揺するが、苦手のパートもなんとか強引にクリアし、おそらく合格となった。
そして3番手のN技師。技術的には全く問題ないが、あるパートで痛恨のミスを犯す。講習では100回行って100回成功するのに、プレッシャーとは恐ろしい...
合格発表までの間、N技師を慰めつつ、会場に併設のコンパクトな食堂で昼食となる。慰めの意味も込めて、ごちそうしておく。
N技師が補修の予約をしてから一旦帰宅し、ボッチで合格発表を待つことに。H氏ともども、無事に合格していた。正直ほっとするが、未だ緊張が緩まない。
H氏と雑談をしながら、更なるインターバルを経て、卒業式となる。筆記用具を忘れたというH氏と並んで式に臨む。
無事証明書を受領し、一旦ベースキャンプへと戻る。1号機に乗り換え、N技師と合流する。だ、普段はめったに地震の起こらない北海道南部で大きめの地震が発生したことが気がかりだ。チーム白老の安否が気になる。
その後、慰労会兼激励会となる。三重でお世話になっている方から電話をいただき、被害情報などを確認してからチーム白老の親方に安否の確認をする。幸いにも無事だったようで、ホッと胸をなでおろす。
N技師宅にお邪魔し、いろいろだべっていると日が変わりそうになる。すっかり千厩に根付いてしまったようだ。