2014年10月25日土曜日

#638 忘れられない思い出 -フォレストワーカーフェスティバル-day1

雲一つない、最高の天気の朝を迎える。目覚ましは7時にセットしておいたが、残念ながら起きられるはずもなく、結局9時に起床する。外は予想以上に暖かい。

支度をして、5号機のエンジンを始動しようとしたタイミングで電話がかかる。杣遊会でも馴染みの、住田のY君からだった。「水上さん、どこにいんの?」 えー、まだ気仙沼です...

ナビが示した3つのルートのうち、最も高速道路区間が長い、284号線→川崎→平泉前沢ICルートを選択する。しかし、やはりというか、走りなれていない道なので、案の定迷う。結局10㎞程度余分に走ったうえ、一番通行料金が高いという羽目になる。
盛岡ICで降り、46号線を西へと向かい、小岩井の看板に沿って進む。途中から、北海道を思わせる雄大な景色に目が奪われる。

小岩井農場のまきば園駐車場へ。2014フォレストワーカーフェスティバルin小岩井が開催されている。しかし、既に午前の部は終了しており、肝心の住田の友人もいない...電話を掛けてみると、食事中だった。店の中でI氏、Y君と合流する。
併設の施設では、このイベントにあわせて特別メニューの「山仕事そば」を提供している。せっかくなので賞味する。
丸太のはい積みをモチーフに
会場は比較的コンパクトだが、ハーベスタやグラップル、フォワーダやチェーンソーの展示が行われている。中央部は競技の会場となっている。
全景
そして、I氏から「水上さん、グラップル乗ってみない?」と声を掛けられ、初チャレンジ。
以前、芸濃のブレーン、N君にバックホウ操作を教えてもらったが、それ以来。バックホウとの違いは、操作スティック上部に十字コントローラーが備わっていること。そのボタン配置は、まさにDSなどのゲームに酷似している。
操作方法の手ほどきを受けたが、何分にも操作できなかった。修練が必要である。

程なくして、明日の競技のデモンストレーションが行われる。
準備完了
伐倒
枝払い
合わせ切り
デモを行ったお二方は、工藤さんと武田さん。WLC(World Logging Championship)への参戦権を賭けた、JLCへの参加選手。この競技の項目も、WLCで実際に行われるものをコンパクトにアレンジしたものだ。そして、そのテクニックとスピードに驚く。
安全柵も林業テイスト
この日の分のプログラムが終了し、I氏、Y君とともに併設のまきば園へ。小岩井農場には初めての訪問なので、こちらも楽しみである。
中は広大な公園となっており、家族連れやカップルが楽しそうに散策している。ニッカボッカのI氏、ツナギのY君、そして自分。明らかに場違いな3名は、周囲から少し浮いている...
岩手山、バッチリ♪
小岩井農場で小岩井牛乳
まきば園を後にし、次に会場へと向かう。Y君の先導で、岩手山麓のフラットな道を行く。まさにヨーロッパを走っているような、最高の道。生憎ヨーロッパに行ったことはないが...

場所を「ゆこたんの森」へと移し、岩手県が認定する「グリーンマイスター」の交流会にはめてもらうことに。むしろ、自分がこの場にいていいのか不安になるが、これもI氏のおかげ。本当にありがたい限りである。
話題の中心は、5月に青森で開催されたJLC。岩手県職員の菊池氏が写真とビデオで解説を行い、その後参加者である工藤、武田両氏から詳細な話を聴くことに。
工藤氏
バーを持って説明する武田氏
JLCについては、採点方法やポイントの稼ぎ方、得意な分野やコツ、裏話など、その内容は多岐にわたっており、聞く者を飽きさせることはなかった。
参加したお二人からともに発せられた言葉は「安全」。協議にはスピードが求められるのは当然だが、それにもまして安全が優先される。服装、チェーンソーの取扱など。今回だけでなく、岩手はこういった思想がきちんと根付いていると常々感じる。

最後に、関係者からの挨拶の時間が設けられる。そして、自分もなぜかお話をする機会に恵まれた。三重の林業のうち、自分の知っている内容を少しお話しさせていただいた。

部屋に入ってから、温泉へ。参加者が露天風呂で語り合うのもまた楽し。
そして、懇親会へ。I氏から「自由席だよ!」と聞いたので、適当に腰かけると、なんと自分の名前入りの席が用意されていた...岩手のおもてなし、嬉しい限り!!

岩手県の菊池氏の隣になったので、いろいろ意見交換をする。菊池氏は「歌って踊れる県職員」を標榜しており、今回のグラップル競争やミニJLCにも参加している。
最近の興味は架線集材にあるとのこと。岩手は作業道が入れやすい地質だからか、機械化が圧倒的に進んでいる。機械が届かない場所へ、架線を張っていくのだろう。また、技術の伝承についても意識されていた。岩手は本当に熱い林務職員が多い。
喫煙コーナーに行くと、前述の工藤氏や、二戸のA氏、田野畑のH氏と話をすることに。森林経営計画など行政への注文を聞く。岩手で聞いた内容は、三重でも十分通用すると思う。

懇親会は散会となり、引き続き部屋で2次会となる。公私ともに、沢山の話で盛り上がる。途中ダウンするものも現れ、自分も日が変わるころには床に就く。