2014年2月11日火曜日

#382 1000年の都

出かける予定が入っているため、8時半に起床する、というか起こされる。もちろん即起きるわけもなく、ウダウダしてしまう。

朝食を摂ってから、イタリア語で「扉」という名前の、実家のクルマで出発する。東名阪は肝心なところで事故渋滞となっており、その距離もみるみる伸びている。23号線、1号線ルートで迂回することに。新名神の早期延長を期待する。

亀山市内で、たのしい支援物資をいつも送ってくれるカントクことO氏の現場に立ち寄る。気温は気仙沼よりも高いものの、北風がめっぽう強く、とても寒い。油断してフル装備で来なかったことを後悔する。年度末はどこの現場も多忙を極めており、仕事の邪魔をしないように退散する。

亀山ICから東名阪に入り、新名神へ。尾根沿いを抜ける道は横風がとてもきつく、車高の高いこのクルマは激しく左右に揺すられる。名神高速はクルマも多く、日本の大動脈という感じが漂っていた。

京都東ICで降り、若干混雑する中心部を抜けて友人をピックアップ。ひとまず昼食を摂りに、岡崎方面へ。お勧めのうどん屋さんは2件とも行列ができていたので、グリル小宝へ。自分はハイシライス(原文まま)を、友人はオムライスを注文する。見かけよりボリューミーでおなか一杯に。
店から白川通を下り、横道にそれる。京都はどこをとっても絵になる。
山懸有朋の別荘だった無鄰菴へ。塀の内側にある庭園は東山を借景にしており、広さを感じるとともに、手入れの美しさにも感心する。
園内にある茶室を眺める。建築関連の仕事をしている友人から、躙り口の小ささは、内部の空間を広く見せる効果があると解説を受ける。
引き続き洋館を見学する。2階にある明治期の対露政策を決定したとされる無鄰菴会議が行われた部屋は、当時の雰囲気そのままに残されており、重みを感じる。
1階には、作庭した小川治兵衛(7代目)の作品紹介パネルが展示されている。前衛的な取組も幾度か行われているようで、ぷー太郎時代にお世話になった庭師さんのことを思い出した。
冬の京都は観光客も少なめで快適ではあるのだが、風が冷たく、外に長時間いると体調を崩しそうだ。

引き続き、琵琶湖疏水記念館へ。明治中期の一大プロジェクトは京都を大きく変貌させたが、その歴史を垣間見ることに。
入館無料
館内には建設当時の公文書なども展示されており、北海道文書館でも思ったが、罫紙に書かれた伺い文などを見ると、筆の代わりにパソコンになったくらいで、100年以上何の進化がないと気付かされる。いや、むしろあまりにも完成されているので進化しようがないということにしておこう。そういえば、奈良国立博物館で見た天平時代の公文書にも同じような感想を抱いたような・・・
中には、陛下の行幸に合わせて完成を3ヶ月前倒ししなさいという、知事からの直筆の手紙などもあった。しかも、3月末に完成という内容が3月上旬に...

館内の資料は撮影禁止だったが、京都三大事業のために発行された市債のデザインが興味深かったし、大阪府への補償金の一部に、職員の寄付が当てられた文書には心が奪われる。目録を買ってこればよかった。

建物の外に出て疏水を眺める。築120年が経過しているが、構造物として手入れがなされているためか、その機能を十分に発揮している。
インクラインを少し散歩する。土木構造物も年月が経てば観光資源になることがわかる。稚内の防波堤もそうだった。
 そして、田邉朔郎像。20代の若き技術者は、測量、設計、施工監督と大活躍された。爪の垢を煎じて飲まねば...
発電所の脇を通ると、絶景が。
水路脇の小径を通って南禅寺へ。ここには美しいアーチ型の橋脚をもつ「水路閣」が境内をぶち抜いている。当時最新の土木技術を駆使した構造物は、違和感がとてつもなかったと思われるが、今はこうやって景観に完璧に馴染んでいる。
このご時世では許されないだろうが、京都の発展に尽くした橋は、もはや風景の一部になっていた。新旧が入り混じり、新たな京都らしい景観を生み出した典型だろう。

少し街を歩く。日が傾いてきたからか、とても寒くなる。
石橋
川と石橋
一旦「ペチカ」というカフェで避難してから、一澤帆布でカバンを物色する。希望の鞄は見つからなかったが、気に入った一品を見つける。しかし、値段をみて躊躇する。

聖護院八つ橋をお土産に買い求め、夕食に繰り出す。隠れた京都名物「山椒なべ」を食べようと三条烏丸近辺に向かうが、あいにく今日はお休み。近くにあったお好み焼き屋さんに入り、久々の「粉もん」を食べる。
ホヤぼーやのライターを机上に置いたところ、なんと友人が、その存在を知っていた。京都でもホヤぼーやはメジャーなようである?

コインパーキングからクルマを出そうと、精算機でボタンを押したらびっくりするような値段が!10分300円という、まさにぼったくり値段!
友人と別れ、帰路に就く。途中のガソリンスタンドでも、レギュラー151円のところもあれば、168円という凄まじい値段のところも。都会の観光地は気をつけなければ...

帰りがてら、悪友Tから連絡があったので、いつもの「らんぷ」で合流。よもやま話に花を咲かせていたら、既に日が変わっていた。