部屋に戻って準備をし、今日はI氏のクルマに乗せてもらうことに。一晩でかなりの積雪があったが、多分花巻では当たり前の光景なのだと思う。道が渋滞することもなく、順調に住田へと向かう。
出発地の斉藤機械店に戻ると、1号機他すべてが雪中に埋まっていた。とりあえず雪下ろしをするが、凍てつくようなこともなく、重めの雪がドサッと落ちる。ガレージから雪かき機が登場し、てきぱきと除雪が進められた。
しばらくねまってから、宮沢賢治も愛したとされる種山ヶ原へ向かう。397号線を西に向かうにつれて、どんどんと雪深くなる。毎日のように10t車で木材を運んでいるI氏にとってみれば、朝飯前の状況なのだと思うが、自分で走るのはかなり勇気がいる。車内では住田の方言で盛り上がる。単語一つ一つを取り上げられると難しいが、文脈からその意味を判断することは出来るようになってきた。高田の友人に教えてもらった「あべ」という言葉が頻繁に使われていて、うれしくなる。そういえば、昨日も杣遊会準会員のT氏も、ホテルで「もぅし!」と言っていたっけ...
エンジン付き乗り物をこよなく愛するSメカニック主導のもと、スノーモービルのスタンバイも完了し、まだやわらかい雪の中スタックもしながらも林道を駆け上って平らな広場へ。
マリオカートも上手なS氏 |
乗り物なら何でもこいのI氏 |
まず、曲がらない。バイクと違って車体を傾けることが出来ないので、自らが車体の外にはみ出るくらいの勢いて乗り出さないと、思っているコースをトレースすることが出来ない。海の上のマリンジェットに近い雰囲気だと思う。スロットルも恐ろしくて全開にできない。
最初に一周してみたところ、バックできない機体であることを知らなかった。やむなく人力で方向転換する。しばらく乗ってみるものの、明らかにバイクより難しい。今日が初めての搭乗となるE氏、H氏とともに練習に励む。
一通り馴染んだところで、別のフィールドに向かう。ベテランが新雪の中コースを作ってくださり、そこを周回することに。ところどころジャンピング・スポットも設けられており、エキサイティング度が増す。先ほどよりも乗れるようになってきたので、急造コースを周回するのが楽しくなってきた。
グリップヒーターが付いているものの、指先が痛くなってきた。辺りも少し暗くなってきたので下山することに。遊林ランド種山のヒノキ風呂に入って体を温め、併設のレストランで遅い昼食か早い夕食を摂る。なんでもコンパクトにそろっていて、申し分ない。
行き来た道を戻る。静まり返った車内で、I氏といろいろ話をする。住田は、昔しばらく住んだことのある芸濃に似ている。昔からの街道があり、中心地世田米と椋本も似ている。なによりも、自分のような「よそ者」を受け入れてくれる土地柄が、一番似ているのかもしれない。
既にあたりは暗くなっており、町議のM先生に遅くなったことを謝罪し、お願いしてあったものを取りに行くことに。暗い雪道をS氏が先導してくれることになった。S氏にしてはかなりのスローペースで走ってくれていると思われるが、斉藤機械店から出た瞬間に、2速にしたら横向き掛けたので内心はドキドキである。しかし、横滑り防止装置の付いていないFR車でも、S氏はスムースに走らせている。ついていくことで少しだけ雪道に慣れた。
M先生宅にお邪魔すると「あがっていきなさい!」とのことで、甘えさせていただくことに。しかし、敷地内に乗り入れるスロープに手こずる。S氏の手ほどきで何とか乗り込めた。
奥様手作りの料理をいただきながら、住田のこと、自分のことなどよもやま話に花が咲く。自分のことをいろいろ気にかけていただいて、本当にありがたい限り・・・
ねこえんつこを入手し、帰路に就く。ちなみにえんつことは、農作業などの際に子ども入れておくための藁製のかごのこと。住田には超絶テクの持ち主がおみえで、蓑など様々な藁細工を製作されているとのこと。最近は若手後継者も...
帰路、慎重に1号機を進める。45号線は雪がなくて油断していたが、気仙沼で給油を済ませて東浜街道に入ったら、終わっていた。ベースキャンプの駐車場も、当然除雪などされておらず、無理やり雪を踏み固めて自分の枠に収めた。